2010年5月21日 つぶやき(家づくり以外のこと)

あすなろ建築工房の進む道

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本日は、SAREX(住環境価値向上事業共同組合)の総会とメンバーズサミットに参加してきました。総会とメンバーズサミット、ワークショップと2日間に及ぶ会合です。今回、自分の家づくりに対しての姿勢と会社の方向性について、考えを整理する良い機会となりましたので、下記にまとめます。

【標準化について】

基調講演で建築家の伊礼智さんから「標準化」についての講演がありました。伊礼さんの家づくりの考え方は、以前より興味を持っており、今回お話をお伺いすることができて、改めて今までの考えを整理することができました。奇異を狙ったり、シンプルさを追求することでなく、実用的で使いやすいデザインを心がけていらっしゃいます。標準化することで、下記のメリットがあります。

・アベレージの高い仕事

・良質で低コストな仕事

・仕事のスピードアップ

・クレームの低下(品質の向上)

・作風の見える化

標準化したディテールが身につけば、経験の浅い担当者でも設計監理・現場管理が可能になり、設計事務所+工務店にとっては、いいこと尽くめです。標準化については、自分なりに「良い収まり」は持っていますので、今後、形にしていきたいと思います。

【小さい強い会社】

2日目は鹿児島の工務店の㈱シンケンの迫社長の講演でした。コーディネーターの野辺さんから「今回の講演は、関尾君のためにあるような内容だよ。絶対聞かないとダメだよ。」と言われていました。講演をお伺いして、野辺さんがおっしゃっていた意味が分かりました。

迫さんは鹿児島で知らない人が居ないという位、高品質の家づくりを行っており、まさに行列の出来る工務店となっています。他の会社との大きな違いは、「デザイン力」です。デザイン力が秀でている工務店なんです。工務店と言うのは、大工さんあがりの社長が行っている場合が多く、デザイン力で設計事務所に負けていることが多いのですが、迫さんのところは違います。デザイン力を売りにしているだけあって、しっかりと計算され作りこまれた家づくりがなされています。迫さんの家づくりの基本は「価値観の共有」「独自性の追求」「理念の実践」「付加価値の創造」などです。これらにより「小さい強い会社」を目指しているそうです。

価値観を共有できるお客さんと仕事をすることで、仕事が楽しく、無駄な作業がなくなります。世間の「常識」を疑ってかかり、独自性を追求することで、競争力がつきます。「何のために?」を常に考え、自分が信じることを実現していけば、必ず夢が実現となります。常に他とは違う付加価値を創造していることで、高くてもいい仕事が出来るようになります。相見積は絶対やらない。業者間の安さ勝負に巻き込まれたくない。安さ勝負となると、競争に勝つために自分が正しいと思う工法や材料でなく、よくないと思っていても手がかからず安い材料を選択することになってしまう。良い家づくりを目標としているのだから、ここで自分の信念と違うことをすることはストレスにもなります。「安いから」と言う理由で依頼されるので無く、「安心できるから」という理由で私たちが選ばれるように努めて参りたいと思います。

【目指す家づくり】

人から「どんな家づくりを目指していますか」と聞かれたとき、「他の人から『いい家だね~』と言われる家づくり」とこれまで答えてきました。現在製作中のHPのトップもこのフレーズを入れています。迫さんも今回の講演で同じことをおっしゃっていました。まずは「自分がいい」と思う家づくりを行うことが大事だと思います。これからも「私が納得のいく良い家」を創って行きたいと思います。

そもそも私が住宅設計を志したのも「お客さんと喜怒哀楽を共に出来る仕事」であったからです。家づくりって簡単なものじゃないです。その過程では、いろいろな出来事があります。良いことも悪いことも、楽しいこともつまらないこともあります。関わる人たちの喜怒哀楽を包みこむような家づくりを目指していきます。

あすなろ建築工房の名前の「アスナロ」の意味である「明日なろう」の気持ちを今一度、心に刻み、「横浜にあすなろあり」と言われる高品質の家づくりが出来る組織にしていきたいと思います。



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