2010年6月11日 学習・研鑽
米国住宅産業研修 第五日目
本日は住宅格付価格評価と中古住宅の販売実態の講義です。
PRIORITY APPRASIGの住宅格付評価士のKento Hirata氏からAppraisal(評価価値基準)について講義いただきました。中古住宅の売買の際には、その住宅の査定が必要となります。その査定をするにはライセンスが必要です。3つのライセンスグレードがあって、(1)レジデンシャル シングルファミリー (1000ドル未満)、(2)レジデンシャル ラグジュアリー(金額の制限なし)、(3)ジェネラル(用途、金額の制限なし)だそうです。査定の作業は、SAVING&LOAN CLICESという基準があって、2年ごとに改定されているとのこと。
査定をするには、まず現物の調査(サイズ、構造、状況)を行うことから始まります。次に物件の近所の類似物件を調べるそうです。過去3ヶ月以内に取引された2物件、過去6ヶ月以内に取引された2物件、現在売り出し中の2物件の合計6物件を比較して、物件の価格を決めるそうです。近所にそんなに中古売買があるということがアメリカの住宅事情を物語っています。日本ではそんなに近所で中古物件の売買がありません、、、。
このようなAppraisal sheetを使用して、価格を決めていくそうです。先ほどの基準に基づいて、査定をするのですが、査定士は不動産屋さんやブローカーから査定の仕事をもらうこともあり、不動産屋さんやブローカーはできるだけ価格を高くつけて高く売りたいという心理が働くため、仕事をもらっている以上、多少高めの価格になることが多いそうです。特に2年前までの住宅高騰時にはかなりのオーバーバリューで査定されていたとのこと。
この査定結果を元に売買価格が決定され、さらに固定資産税も決められるそうです。2年前以上に取引された物件は、本当の査定の内容以上に高く査定され、取引されていたので、固定資産税も高いままとなっていることも多いそうです。この固定資産税を適正に戻すには、持ち主が郡に頼まないと下がらないそうです。
土地の評価は低く、ポートランド近郊の場合70万ドルの家で10万ドル程度とのこと。中古物件の価格は建物の価格でほとんど決まるということです。
査定の実際の方法、実態をお伺いし、家の価格というものが、「構造」、「材料」、「工法」、「デザイン」などによって決まるのでなく、「過去の取引価格」で決まっている実態を改めて知ることとなりました。日本のマンションの中古売買とほとんど同じです。一戸建ての中古物件売買は、建物の評価が著しく低く、土地の価格で決まるので、アメリカとはまったく違います。アメリカの住宅は、構造も、作り方も、デザインもほとんど同じものばかりなので、このような評価方法が成り立つこともうなづけることです。
参考までに、講義の時の机のようすです。電子辞書、パソコンがとても役にたちます。
続いて、大手不動産業者のJohn DeCosta氏から中古物件の販売方法についてお話を伺いました。John氏はKeller Williamsというアメリカで3,4番目の大きさの不動産会社で働いています。とはいっても、実態は会社の場所を借りて、チームで動いている個人事業主だそうです。32年間不動産業界に居て、年間に100棟売っているそうです。
先金はForeclosures(フォークロージャー)という抵当流れの物件が著しく増えているそうです。フォークロージャー物件が近所に出ると、抵当流れで市場に出てくる物件が出てくることになり、銀行が決める価格となるため、近所一体の住宅価格が下がってしまうことになります。このため、希望売却価格で売れることはほとんどなく、ローン残高よりも売却価格が低くなってしまって売りたくても売れない人たちがとってもたくさん居るそうです。彼らはUNDERWATERと呼ばれ、持ち家の家主の30%がそれに当たると言われているそうです。
昨日も話に出ましたが、このような不動産情報が蓄積されています。
売り手は、Disclosure(ディスクロージャー)という情報開示が義務付けられていて、チックリストがあって、そこに「YES]「NO」「I don’t Know」の3つを答えるそうです。知っているのに知らないふりをして、雨漏りなどを隠すとばれると訴えられることになります。
アメリカには日本のような登記所がないので、民間のEscrow(エスクロー)という会社があって、ここが売買の際のお金や鍵の受け渡しをするそうです。また、Title(タイトル)という日本で言うと公証人役場みたいな会社があって、ここが登記内容を書き換えるそうです。Kent氏の話では「エスクローにはたくさん会計士が居て」、「タイトルにはたくさん法律家が居る」、との話です。こう聞くと分かりやすいです。
またゾーニングというルールについて伺いました。日本の用途地域みたいなものですが、もっと細かく街の中でゾーニングがあって、敷地面積が規定されています。家の質がほとんど同じという文化なので、土地の大きさが家の価値を決めるといってもいいので、結局、収入が同じ位の人が同じ地域に住むように仕組まれているという訳です。
以上で、今回の研修の講義は終わりです。
最後にいろいろとご尽力いただいたプレーリーホームズの早川取締役からご挨拶いただきました。プレーリーホームズの皆様ありがとうございました。
青木会長から、講義の最後にご挨拶頂きました。青木会長も今回改めて知ることが多かったそうです。
講義終了後、本日の午後は行程で唯一の自由行動時間です。ストリートカー(ちんちん電車)に乗って、郊外のクラカマスタウンセンターにお土産を買いに出かけました。
最近のちんちん電車は、ボタンを押すと自動で車椅子用のステップが出てきます。
クラカマスショッピングセンターに到着です。
まずは昼ごはんです。フードコートを目指します。
お姉さんがチキンを試食でくれました。おいしかったので、この店の照り焼きチキンディッシュにしました。
しまった、、、。色が黄色と茶色しかない、、、。体に悪そう、、、。
無事、娘と家内へのお土産を購入できました。
ショッピングセンターを後にして、今度はスーパーマーケットでお土産のビーフジャーキーを購入しました。
本日の夜はFAREWELLパーティーがありました。
とっても眺めのよいお店です。
コロンビア渓谷を見下ろす場所です。
講師の皆さんにもお越しいただいてのパーティーです。
本日のメニューです。JBNがJPNに間違われてしまいました。
まずはビールです。今回、一番回数を飲んだハーフバイゼンというビールです。
かんぱーい。
今回の参加者の皆さんです。
講師の皆さんです。
会長、早川さん、団長です。
誰かがとても高いワインを頼んだらしく、デキャンタがハクション大魔王が出てきそうな形をしています。
かなり高いワインだそうです。とても深い味でおいしかったです。本日の講師のJohnの奥様が、「ホームパーティーの時くらいしか高くて飲めない」と言ってました。ラベルも高そうです。いったいいくらするのでしょう?
本日のメインディッシュです。プライムリブとロブスターテイルです。正直、めっちゃおいしかったです。ごめんなさい。
デザートのアイスクリームパイです。どこがパイなのだろう?これがでかくて食べるの大変です。完全にカロリーオーバーです。日本に戻ってからは、メザシとご飯で過ごします、、、。
さて夜はというと、ダウンタウンのPEARL地域にあるJAZZバーに行きました。
5ドルの入場料を入って、ビールを頼みました。演奏はこれまたメチャクチャ上手です。特にサックスは、聞きほれてしまいます。店に入った時間が遅かったので、1時間だけしか演奏を聴けませんでした。また来たい、、、。しかし明日は帰国です。
お店のハシゴです。一日目に来たお店です。皆のお気に入りの店です。何人かはとっても気に入っている模様です。
コロナビールです。
あれあれ、路上で飲酒はいけませんね~。
さて、ブログを書いていると、もう朝です。これから荷造りして、 、、寝る時間ないかな~。
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