2013年7月12日 あすなろ建築工房の日常
伊勢・奈良社内研修
社員スタッフと大工と一緒に伊勢・奈良に社内研修に行ってきました。お付き合いのある材木屋さんの計らいで、奈良の興福寺の中金堂再建工事の見学をさせていただきました。ついでと言ってはなんですが、途中、20年の式年遍宮を迎えている伊勢神宮も見てきました。朝6時に事務所を車で出発です。
7:30過ぎにちょうど新東名高速道路の新富士ICを通過するので、ICを降りてすぐのマルダイさんを訪問。ちょうど朝礼の時間なので、見学させていただきました。
大工にとっては、マルダイさんの倉庫は初めての体験。木材市場よりも広い倉庫に驚き。
神代杉の一枚板に驚く大工たち。
プレカット工場も始めての体験。興味深く見ております。
朝ごはんは、静岡ICで「しぞーかおでん」。
休憩するSAでは必ず何か食べてます。
予定とおり、昼過ぎには伊勢神宮に到着。
20年に一度の式年遍宮。実は20年前にも伊勢に御参りに来ています。20年ぶりです。20年の歴史を同時に見ることが出来る貴重な機会です。
参道は、街並みの保存活動がしっかりしていて、興味深い街並みとなっていました。
コンビにも街並みのデザイン基準に伴って、工夫されていました。
参拝後は赤福本店で「赤福氷」
JBN次世代の会でご一緒している坂下工務店の坂下社長がわざわざ会いに来てくださいました。ありがとうございます。
一日目の予定はすべて完了し、宿へ。
奈良天理市のビジネス旅館に一泊。一泊二食付4200円の超格安宿。
翌朝は、今回お誘い頂いた佐藤木材さんの本社に訪問しました。昨年の社内旅行で小山市の支店にもお伺いしております。
佐藤木材さんは吉野桧の扱いを得意とされていますが、社寺建築の材料を扱う関係で、米ヒバの大径木も多く在庫されています。今回見学させていただく興福寺中金堂の再建工事の材料のほとんどを納入しているそうです。
在庫の量に驚き。想像以上の量です。ここに書けない在庫の裏話にも驚き。
佐藤木材さんの本社から法隆寺へ移動。
ここは中学生のときの修学旅行以来です。
中学生の時に見たことなんてほとんど覚えていません。大人になって、木造建築物に携わるようになってからみると見るところがぜんぜん違います。
スタッフが佐藤木材の吉畑さんから聞いてきた建築話。この中央の柱の左と右で建設時期が違うとのこと。左側が平安時代で右側が鎌倉時代の建設らしいです。柱をみると確かに時代の違いが分かります。
古いほうは柱にエンタシス(カーブ)があり、表面がボコボコ。
新しいほうは柱が直線で表面も滑らか。
これは道具の違いだそうです。前者が槍鉋、後者が台鉋で削っているからだそうです。なるほど面白いです。
暑かったけど、法隆寺を満喫しました。
今回の研修旅行のメインである「興福寺中金堂」の再建工事を拝見しました。
工事を担当している奈良の宮大工工務店の瀧川寺社建築のご担当者の方から工事の説明を頂きました。
原寸場です。以前名古屋城での再建工事の際にも拝見しましたが、このように原寸で下図を描いてから加工をします。現場であわせて加工する必要があるので、現場の脇に体育館のような場所を作ってあります。
主柱です。日本ではこのような大径木が手に入らない(手に入れるととてつもなく高価)となってしまうので、アフリカのアパという材料だそうです。
平城宮の大極殿も再建工事がされていますが、こちらは国家プロジェクトなので予算があり200億円の総予算だそうです。こちらの中金堂は民間のプロジェクトなので予算が厳しくなんと60億円の予算だそうです。大工手間は同じと考えると、この差は材料費なんだそうです。樹齢数百年を超える国産材は、伐採禁止となっているものが多く大径木を確保するのは、至難の業なんですね。
屋根の垂木の加工を行っているところで、じっくりと拝見させて頂きました。加工の様子をみていると気の遠くなるような作業でした。
槍鉋の実演も頂きました。弊社大工も少しやらせてもらったのですが、そう簡単に扱えるものではなさそうです。
現場から見た五重塔と東金堂。
奈良公園と言えば、鹿!
東大寺も見てきました。
大工たちが大仏殿の柱くぐりに挑戦。タケは悠々通り抜け出来ました。
裕二もなんと通り抜け成功!
それを見た飯沼が再挑戦。「通れるかな?」
頭から入り込みます。
反対側から引っ張ります。
詰まってしまいました! このまま放置。(笑)
大仏様にも笑われてしまいましたでしょうか。
夕方5時過ぎに奈良を出発して、帰途に着きました。途中、大した渋滞や事故等はなく、横浜には23時過ぎには到着しました。
ハードなスケジュールでの社内研修でしたが、いろいろと拝見することが出来大変有意義な研修旅行となりました。
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