2015年5月25日 材料・仕上・工法・設備
エネファーム
エネファームの営業方法に疑問。
数ヶ月前ですが、ご高齢のご夫婦がお住まいのご家庭に新しくエネファームが設置されていたので、経緯をお伺いしてみると東京ガスから勧められて給湯器をエネファームに交換したとのことでした。
本日、お問い合わせいただいてお伺いしたご高齢ご夫婦のお宅にも数日前にエネファームの営業があったとのこと。
エネファームは、家庭でお湯を作る際に、ガスから水素を取り出し、水素と酸素が化学反応する際に発生する熱と電気を取り出して、給湯と発電を同時に行うシステムです。
家族の人数が多く、お湯をたくさん使う家庭ではメリットが大きいのですが、高齢者の二人家族などではお湯をさほど使わないため、メリットは薄く、イニシャルに生じた設置費用をランニングコストの削減分で回収するには、かなりの年数を要します。
また高齢者の場合には、お湯を使わないのでそれほど電気代は安くならず、実際にはイニシャルコストの増分をランニングコストの削減分で回収するには20年以上かかるのではないかと思います。
エネファームの機器自体の耐用年数はそこまで長くなく、10年間のフルサポート後は、新しい機器に交換するか有償のメンテナンス契約を結ぶことになります。ライフサイクルコストで考えると、お二人住まいのご家庭には不向きな機器であると判断しています。
家族構成や生活スタイルによってお湯の使用量は大きく変わります。ガス給湯器を設置する際は、過去のガスと電気の使用量を入力してしっかりとシミュレーションし、エコジョーズとするか、エコウィルとするか、エネファームとするかを選択するべきと思います。
エネファーム自体は、とてもよい機器だと思います。
お客様の利益を無視した営業が横行することで、エネファーム自体の評価が下がってしまうのではないかと危惧しております。
他の記事をみる