2017年8月1日 リフォーム
ハウスメーカーの家づくりと工務店の家づくりの違い
JBN(全国工務店協会)既存改修委員会の視察で、都内の会員工務店さんのリフォーム現場を拝見させて頂きました。某有名ハウスメーカーによる施工のお宅での改修工事で、築18年目とのこと。
まず最初に驚いたのが「築18年?!」ってことでした。改修工事中で、内装の解体工事を進めている段階だったのですが、個人的には築30年以上経っているかのような劣化の状況でした。周りのメンバーも同じ感想でした。私たちが手がけた家は、築18年というと、ちょうど木部が飴色に変わってきて、いい味が出てくる頃合いです。そんな味が出てきている家をたくさん知っているものですから、このお宅が18年というのが信じられないというのが感想です。
このお宅はハウスメーカーによる工場生産のパネル工法ということで、すべてが合板仕上げとなっているため、傷や剥がれが目立ち、仕上げ材としての劣化してしまっていました。無垢材が経年美化していくことを考えると正反対です。
バルコニーの窓枠を外した状態。仕上げ材が4mm程度しかありません。化粧ベニア合板が張られていたそうです。掃き出し窓の下枠は、足がかかる部分で傷もつきやすいので、私たちの常識だと25mm以上の無垢材を使用するところです。
外壁もサイディングでコーナー部などで納まりが???となる部分がいろいろありました。
壁はパネル工法ですが、屋根は現場施工の模様。
担当している大工さんの話では「とにかくすべてのものが接着剤で貼り付けてあって、剥がせなくて大変」とのこと。工場でパネル化するので、接着剤を多用するようです。ハウスメーカーの作る家は、将来の改修のことについては、新築時の考えに入っていないようです。新築時の性能はきっとよいものだったと思いますが、家は将来の家族の変化や時代の変化に柔軟に対応できるもので無くてはならないと思います。しかも5本指に入る大手高級ハウスメーカーさんによる施工です。
家は永く住まうもの。世代を渡って住み続ける家であるためには、材料選び、工法選びが大事であることを再認識いたしました。たtった18年でみすぼらしくなってしまう家では困りますもんね。
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