2017年10月4日 家づくりコラム
ナイチンゲールの「看護覚え書き」
ナイチンゲールの「看護覚え書き」ってご存知でしょうか。高断熱住宅をつくる知人にこの書籍について教えてもらいました。
ナイチンゲールは、「看護」をいうことを世に広めたことで有名ですが、『看護覚え書』において、家族の健康を守り、かつ病気から回復するために必要な考え方や視点について、まとめています。まだ衛生的に行き届いていない都市の住宅の中で、統計学を駆使して、家において健康のためには何が大事かを13の項目にまとめています。
①換気と暖房
空気を適切な温度に保ち、換気を十分にすること
②住居の健康
綺麗な空気・水、下水溝の整備や採光等に気を配る
③小管理
チームを組んで看護をしている場合、リーダーが他の看護師の言動に全て責任を持つ
④物音
騒音や内緒話等不必要な物音は患者に不安を与えるので取り除く
⑤変化
良い環境の変化が気分転換となり回復につながる
⑥食事
体調等に合わせて食べられるようにする
⑦食物
栄養バランスの良い食物を摂取する
⑧ベッドと寝具類
小まめにシーツ交換をする 肌触り等患者に合った寝具であること
⑨陽光
健康維持や回復のために陽光は必要なもの
⑩部屋と壁の清潔
小まめに掃除を行い清潔を保つ
⑪からだの清潔
からだを拭くと気持ちもすっきりして回復につながる
⑫おせっかいな励ましと忠告
余計な話をして却って不安を与えてはいけない
⑬病人の観察
表情や顔色、排泄物などを観察して患者の体調がわかるようにする
大事なものの最初に、「換気と暖房」があります。因果関係がまだはっきりしていない時代に統計学から、健康のためにはしっかりと換気することと暖かさを保つことが大事であることを説いています。
ナイチンゲールがこれを書いたのは1860年とされています。150年以上前の話です。日本にはこの大事な「換気と暖房」がしっかりとなされた住宅はまだまだ少ないです。そんな私も数年前に気づいたばかりです。(^_^;) 家族の健康のためには「換気と暖房」がいかに大事であるか、今後もご説明を怠らないようにしたいと思います。
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