2024年9月1日 学習・研鑽

北欧ツアー報告2日目

北欧視察ツアーの二日目。

街中の物価は高いので、ホテルの朝食ビュッフェでしっかり食べていきます。

なかなかのボリューム。
一日目の朝から食べ過ぎました。

ストックホルムでの朝の散歩は気温12℃。
長袖でも肌寒いです。

朝ごはんの後に、ホテル周辺を徒歩で散策。
流石北欧です。
日射遮蔽のオーニングが設置されているビルが多い。
台風が来なくて、湿気も少ない気候ならでは。
羨ましいです。

ストックホルム近代美術館周辺を散策。

バルト海を眺める高台からの景色。

手すりには視聴者を眺める小さなブロンズ像が。

バルト海には、個性豊かなボートが多数係留されています。
かなり年代物の船も多い感じです。

ストックホルム近代美術館を訪問。

現代芸術が盛りだくさん。

現代芸術になりきるお茶目な増田奏先生。
そう、あのベストセラー「住まいの解剖図鑑」著者の増田先生です。
今回の研修でご一緒させて頂いています。

ピカソによる彫刻。

近くに寄ってみると、黒色の砂利を混ぜたコンクリートを削って陰影をつけていることが分かります。

ミュージアムカフェでランチ。
いいお値段だけど美味しかった。

ショッピングセンター建設中の現場。
ストックホルムは地震が無いので、柱は細いし、梁も薄い(ない)。
羨ましい。

本日のメインの訪問先「森の墓地」。
エーリック・グンナール・アスプルンドとアスプルンドの友人シーグルド・レヴェレンツがコンペで勝ち取った墓地計画。
墓地の中には「森の礼拝堂」や「森の火葬場」があります。

学生の頃から来たかった憧れの場所。
やっと来ることが出来ました。

太陽高度が低いです。

昼間でもこの気温。
半袖だと肌寒い。

森の墓地。
公園とも思える広大な土地のランドスケープの中に墓地をデザインしています。
急激な都市化に伴って、今まで受け入れることが出来なかった火葬が行われるようになったことによってこの墓地が計画されたそうです。
そのためアスプルンドは「死者を森へ返す」ことを考えていたとのこと。

墓地内にある「復活の礼拝堂」。
設計はレヴェンツ。
現地のガイド付きなので教会、礼拝堂の中まで拝見することが出来ました。
悲しい別れの場ですが、「自然に帰る」ことを予期させ、悲しみに埋もれてしまわないようにデザインされています。
死への恐怖を安らげるような安心感をもたらす空間です。
日本人の死への考え方にも似ているように思います。

同じく墓地内にあるアスプルンド設計による「森の礼拝堂」。
アスプルンドの初期の作品。

入口の扉の鍵穴には死の象徴の骸骨がレリーフされています。
ちょっとお茶目なデザイン?

外観からは想像できない柔らかな光。

内部の柔らかな光は、天窓から直接の光ではなく、屋根に設けられたこの窓から入った光を調整して、内部に届けられています。

ちょっとした「雨の道」もしっかりとデザインされていました。
細部にまでしっかりと設計が行き届いています。
本当に勉強になります。

睡蓮の池越しに見るロッジアと礼拝堂の建物群。
ロッジアの奥に聖十字礼拝堂があります。

動画で様子をご覧ください。
荘厳な中に気持ちよさがあります。

ロッジアから見る聖なる十字架

聖十字礼拝堂の入り口。
葬儀の際はこの扉が下に下がる(地面に埋まる)そうです。

建築業界の方の間では有名な待合室。

窓際のカウンターのディテールにキュンキュンします。

聖十字礼拝堂の内部の様子。
中央の祭壇に向かって緩やかなスロープになっています。
ロッジアの柱と並んだ先にある柱列ですが、内部は円形の柱でした。

親族が座る椅子の前の床には、細かな模様が描かれています。
これは故人に別れを告げる親族の心を癒すために単調な模様にならないように描かれたものとのこと。写真左の棺台はそのまま地下に通じていて、そのまま遺体は火葬場に運ばれます。
複数の葬儀が行われたとしても、棺や参列者が交錯しないよう動線を工夫しているとのこと。

墓地内にあるアスプルンドのお墓にもお参り。
よく歩きました。
たっぷり堪能させて頂きました。

「森の墓地」の近くにあるレヴェンツ設計のセント・マークス教会を見学。

このレンガ積みのテクスチャー。
前川國男が影響を受けたということも頷けます。
東京都美術館もほんとはこんなラフな仕上げにしたかったのかもしれません。

聖歌隊の練習中にお邪魔してきました。

森の墓地の中の礼拝堂と違って、かなりモダンなデザイン。
少し前まで改修工事で内部は見学できなかったとのこと。
天井が単調でなく、有機的なデザイン。
これによって音響的にもよい空間なのなのでしょう。
内部を見学出来てよかった。

外部はところどころに「雨の道」が。
一つ一つ丁寧に設計されていました。
こんなディテールにどうしてもキュンキュンしてしまいます。

外構のペイブ。古い植木鉢か何かの焼き物の破片を埋めてあります。

ストックホルムの街を散策。

1923年完成のアスプルンド設計のスカンディアシネマに行ってきました。
100年も前の建物。

受付のお姉さんにお願いしたら、上映時間までは見学可能してもよいとのこと。

ということで内部もちゃっかり拝見させて頂きました。

ストックホルム市立図書館と並行して設計されていたとのこと。
古典様式で見どころたくさん。

内部は100年前の当時のまま大きな変更をすることなく使われています。

蛇をデザインした革巻きの手摺。

アスプルンドの特徴とも言える丸窓。

ストックホルムの地下鉄は岩盤を砕いて通しているので、岩肌がそのままトンネルや駅舎に現れています。

駅舎にペイントやアートを施しているとのことで、地下鉄を乗り継いで駅をいろいろ見てきました。1950年から始まった取り組みとのこと。

地下鉄はシングルチケットといって一回の料金が42クローナ。
600円位です。
日本と比べるとかなり高い。
ただし75分の間は乗り降り自由とのこと。
ということで75分使っていろいろな駅を巡ってみました。

巨大な古典式の柱の柱脚がデザインされています。

なかなか見られない光景。

また別の駅へ。
各駅ごとにテーマがあるようです。

地下鉄駅ミュージアムを担当してきました。

地上に出るともう夜の9時過ぎというのにまだ明るい。
ということで、アスプルンド設計のストックホルム市立図書館を見てきました。

しかし改修工事中ということで、2027年まで内部は見学出来ません。(T_T)

鍵の閉まった入り口のガラス窓に張り付いて、なんとか円筒形内部の書棚を撮影出来ました。(^^)v

歩き疲れたので夕ご飯は、ホテル近くのラーメン屋さんにしました。

かなり個性的なデザイン。
日本のイメージってこんな感じなんですかね?

頂いたのはスパイシー味噌角煮ラーメン。
かなり味が濃いです。
ラーメン一杯2400円也。(T_T)
明日に続きます。



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