2019年1月23日 学習・研鑽

北海道断熱修行の旅

 

冬の北海道に「北海道断熱修行の旅」に行ってきました。3日間の間、北海道での住宅である「北方型住宅」をみっちりと学ぶものです。北海道での高性能住宅設計でご活躍の山本亜耕さん直々に案内頂けるという豪華ツアーです。羽田空港に行ってみると、、、、「欠航?!」乗る予定の飛行機が欠航になってしまっていました、、、。

 

 

キャンセル待ちして、2時間遅れで千歳空港に到着。昨晩は冬の嵐で大変だったとのこと。千歳空港便はかなり欠航してしまっていたことを後から知りました。冬の北海道を舐めてはいけませんでした。深く反省。

 

 

札幌へ向かう快速エアポートの乗り場が長蛇の列、、、。列車も運休していたとのこと。

 

 

一緒に同行の仲間は先に目的地に移動しています。交通機関を駆使して仲間に合流しました。周りは真っ白な雪景色。流石の北海道です。昨晩はホワイトアウトしていたようで、転倒してしまっているトラックもチラホラ見かけました。

 

 

一つの目目的地であるYKKapの北海道工場にて仲間に合流。工場内写真撮影不可のため、写真はありませんが、APW430の歴史と性能をしっかりと学んで参りました。北海道では外気温がとんでもなく低いので、430の性能が必須となります。430はここ北海道工場だけで生産されています。本州で430を手に入れようとすると北海道から運んでくることになります。これから関東地方でももっともっとニーズが生まれることで、温暖地でも手軽に使えるようになってもらいたいものです。

 

 

石狩から南幌まで移動して、山本亜耕先生ご設計の住宅の見学を見学しました。

 

 

雪を考慮した屋根が特徴的な住宅です。

 

 

 

 

亜耕さんから直々に北海道の家の性能とその方法を学んでいます。なんて贅沢なんでしょう。

 

 

北方型住宅に関する数々の資料。北海道では、このようなテキストが多数準備されていて、皆でレベルアップされている風土があります。しかもこれらの貴重な資料を惜しげもなく本州の我々にも教えてくださいます。このテキストのいくつかを頂いて参りました。貴重な戦利品です。

 

 

 

 

 

床下の様子。この写真にはいろいろなネタが含まれていて、見る人が見るとヨダレが出てしまうほど、情報が詰まっています。

 

 

 

外に出ると日が暮れて、きれいな夕景となっていました。空気が澄んでいるので、とてもきれいな景色をあちこちで見ることが出来ます。

 

 

夜はスーパー銭湯で宴会。亜耕さんに直接質問して、その場でご回答いただけるという夢のような時間。

 

 

宿泊先は民泊です。民泊と言ってもインバウンド客向けに用意された普通の建売住宅です。建売住宅といってもあなどるなかれ、とんでもない断熱性能を有しています。そう、北海道では本州のようないい加減な断熱性能では人が死んでしまうので、建売といえど、しっかりとした性能を有しています。

 

 

私が寝ていた寝室の壁をサーモカメラで写した状況です。室温は21度、壁の温度も21度、窓の温度も21度でとっても快適です。給気口からはしっかりと給気されている様子も分かります。冷気が当然入ってくるのですが、枕元に下がってくるころには十分に室温になっていてまったく寒くありません。

 

 

給気口をアップで撮影してみるとしっかりと外の冷気(マイナス4度)が入ってきていることが分かります。これが建売なのかと愕然としまいました。

 

 

二日目は、特急電車に乗って、旭川に移動。

 

 

マイナス10度の世界。耳がちぎれるような寒さです。

 

 

木製サッシメーカーのノルドさんの工場見学。工場内は撮影禁止なので写真無しですみません。

 

 

北海道では「窓が命」といわれるように、高性能な窓が多く生産されています。その中でも木製のサッシは断熱性能、気密性能に優れ、北海道では多く採用されています。

 

 

続いて、「北海道立総合研究機構(北総研)」に移動。

 

 

北海道の住宅の研究を続けている研究施設です。

 

 

 

外気温がマイナス10度とは思えない快適なオフィス内です。

 

 

 

 

住宅性能に関わる様々な研究施設の概要をお伺いしてきました。こんな施設でしっかりとデータを取りながら研究されてきていたのですね。頭が下がります。

 

 

 

たくさんのマニュアルを頂いて参りました。

 

 

せっかく旭川に来たのだから、これを食べないわけには行きません。亜耕さんお勧めのお店で、旭川ラーメン!

 

 

 

大変美味しゅうございました。

 

 

特急に乗って札幌に戻ってきました。40年前の超先進的断熱住宅である旧荒谷邸(現タギ邸)を見学。

 

 

現在のオーナーのタギさんから詳細ディテールや住まい方を伺いました。タギさんは、元オーナであり、断熱住宅の権威である荒谷先生のお弟子さんです。

 

 

40年前の建物だというのに、中はポカポカです。観葉植物についた蝶の卵が孵り、冬に室内で蝶が舞っていたとのこと。

 

 

 

断熱と気密と湿度コントロールの極意的な話を伺うことが出来ました。タギさん、ありがとうございました。

 

 

 

小樽に移動しました。小樽の街を散策。山本亜耕さんによる小樽建築ツアー。

 

 

 

夜は小樽のお寿司屋さんで、地物のお寿司を食べてプチ贅沢。

 

 

 

二次会では、これまた亜耕さんお馴染みのバーにて北海道ジビエとワインを頂きました。

 

 

最終日の朝、少し早起きして、市場に行って海鮮丼頂いてきました。

 

 

市場から北海道大学まで歩きました。

 

 

 

キャンパス内が広すぎる、、、。やっと工学部に到着。

 

 

 

北海道大学の森太郎先生から北方型未来住宅について講義を受ました。

 

 

今度は北海道建築指導センターに移動して断熱住宅の営業方法について講義を受講。

 

 

 

私たちが住む温暖地でも高断熱住宅は、住む人にとっては大きなベネフィット(便益)があります。お客様にその優位性をしっかりご説明させていただきます。

 

 

昼はジンギスカン。3日間、北海道名物をしかと頂きました。こころおきなく横浜に帰ることが出来ます。

 

 

 

また場所を移動して、地盤調査のソイルペディアの出頭さんから杭工事の実情と北海道地震での液状化の現状について講義をいただきました。

 

 

出頭さんに送ってもらって、千歳空港へ。低気圧が近づいてきていて、高速道路は閉鎖寸前。出頭さん、ありがとうございました。

 

 

千歳空港に到着すると、吹雪で滑走路が閉鎖されてしまっていました。

3時間遅れでなんとか帰ってくることが出来ました。他のメンバーは欠航のため、翌日の午後になってしまった人もたくさんいました。

「北海道断熱修行の旅」は大変充実したものでした。「関尾さんはまた遊びに行っている」なんてことを言う人も居ましたが、このとおり、ちゃんと勉強しに行っていたのですよ!

学んだことをしっかりと活かしていきたいと思います。コーディネートしてくださった「一般社団法人 ミライの住宅」の森さん、林さん、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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