2020年7月16日 学習・研鑽
住宅用工事請負契約約款
本日は住環境価値向上事業協同組合(SAREX)のワークショップがありました。
全国の先進的な工務店が加盟する団体です。
匠総合法律事務所代表の秋野卓生弁護士をゲストにお迎えして、この春の民法の改正に対応した住宅用契約約款についての解説を頂きました。
SAREXでは、この春の民法改正に対応した約款を改定作成しており、改定の際には、私も改訂委員会に所属し、使う側としての意見をいろいろとお伝えしました。
「工事請負約款」は、スタンダードと呼ばれるものとして、大きく二つあります。
一つは、国土交通省主管の中央建設業審議会(中建審)が作った「標準請負契約約款」と呼ばれるもので、「民間建設工事標準請負契約約款(乙)」と言うものがあります。
もう一つが民間(七会)連合協定工事請負契約約款委員会が作った「民間(七会)連合協定工事請負契約約款」と言うものです。
これらの約款には、「発注社と受注者が『協議をして』」と規定されている条文が多く、秋野弁護士の解説によると「妥協の産物」という感じなんだそうです。
「協議して」となってしまっているので、協議してもまとまらなかった場合には、トラブルにつながることも多いとのことで、野球に例えると、ストライクかボールか判定が難しい内容について、「バッターとキャッチャーで協議して判断してね」って感じとのこと。これでは後で困ってしまいますね。
そこで住環境価値向上事業協同組合(SAREX)では、秋野弁護士に監修いただき、「民間(七会)連合協定工事請負契約約款」をベースに住宅用に軽くした約款として「工事請負契約約款(一戸建て住宅用)」を策定しました。
「発注社と受注者が『協議をして』」とあいまいになってしまっている部分を極力無くし、はっきりと責任を示すことで、後のトラブルを回避する内容になっています。
約款一つにしてもとっても奥が深いものです。
他の記事をみる