2023年10月5日 学習・研鑽
新住協 総会in青森
本日は新木造住宅技術研究協議会(新住協)の総会が青森県で開催されました。
青森駅からローカル線に乗って、会場入りしました。
会場近くの食堂でマグロ漬け丼ランチ!
会場は浅虫温泉の温泉旅館です。
代表理事の鎌田先生から基調講演を頂きました。
コロナ禍で総会が中止になっていたので、今回は4年ぶりの開催ということで、会員工務店さんもこの基調講演を拝聴するために全国から駆け付けていました。
基調講演の内容は、「省エネ基準等級6~7に対してどう考えるか」というもので、久しぶりということもあってとても勉強になることばかりでした。
一つは住宅性能の判断基準について。
鎌田先生から「全棟Q1.0住宅レベル3を目指していこう」というお話を頂きました。
Q1.0住宅レベル3とは、省エネ基準住宅の暖冷房エネルギーに対して、6地域の場合は20%以下になる性能のお家となります。
換気も含めて考えた暖冷房エネルギーでの基準なので、UA値やQ値で示すことは出来ませんが、乱暴な比較となってしまいますが、熱交換換気を採用した場合で、1地域~4地域の場合は省エネ等級で等級6がちょうどQ1.0住宅レベル3と同じくらいの断熱性能となります。
5地域~7地域の暖かい地域の場合は、省エネ等級の6等級と7等級の間位、HEAT20基準で言えばG2基準とG3基準の間の性能となります。
年間暖房負荷と年間冷房負荷で判断していますので、結果としてランニングコストが少なくなるお家です。
このQ1.0住宅レベル3がライフサイクルコストで考えて一番支出が少ない計算という結果に基づいた指標です。
これまで新住協では「最低でも全棟Q1.0住宅レベル1での建設を」と指標を設けていましたが、これからは「最低でもQ1.0住宅レベル3で全棟建設を目指そう」と変えていくそうです。
あすなろ建築工房では、当然ながら全棟Q1.0住宅レベル1ですが、平均的にはQ1.0住宅レベル2~3となることが多いです。
Q1.0住宅レベル3を実現していくには付加断熱と熱交換換気設置は必須となってきます。
鎌田先生からは「熱交換換気の効果を甘く見ている人が多い」とお叱りも頂きました。
特に「暖かい地域の人が「熱交換器は不要」と言っている人が多いけれどそんなことはない」とご指摘頂きました。
横浜では付加断熱をすると狭小地の場合には敷地に配置できないこともありますが、敷地条件が許す限りは、鎌田先生のおっしゃる通り、全棟Q1.0住宅レベル3を目指していきたいと思います。
基調講演の後には、青森支部のメンバー工務店さんから取り組み発表もありました。
合理化を追求したシンプルな間取りのモデルハウスや、断熱改修の方法の紹介がありました。
この発表で興味深かったのが、断熱改修する場合の順番です。
断熱材の効果が少ない(または全くない)お家の場合、床・壁・天井・窓の部位を断熱補強していく場合、通常なら「窓→壁→床→天井」が優先順位のような気がしますが、効果があるのは「窓→天井→壁→床」の順とのこと。
天井改修の優先順位が感覚的なものよりも上位にある感じです。
写真は鎌田先生から補足の説明を頂いている様子です。
断熱材の効果が無い(少ない)昔ながらの寒い家の場合には、「気流止め」が設置されていない場合がほとんどなので、暖かい空気が天井から上に抜けていってしまうとのこと。
どんなに暖房しても上に抜けていってしまうので、抜けていかないように天井断熱をすることが効果的とのお話でした。
新住協の勉強会は、いつも新しい発見や情報が盛りだくさんです。
勉強会の後は、全員で懇親会。
温泉旅館ならではの光景ですね!
明日はオプショナルツアーでむつ市の菊池組さんにお伺いする予定です。
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