2011年6月22日 つぶやき(家づくり以外のこと)
プロ建築家になる勉強法
フェイスブックで、日建設計の山梨さんが本を出したとお知らせを頂きました。「20代で身につけたい プロ建築家になる勉強法」と言う本で、建築を学ぶ学生や、社会人のために、山梨さんが25年間の建築家生活の中で身に着けてきたノウハウを伝授するために書かれたそうです。山梨さんとは、日建設計のときにプロポーザルコンペなどでいくつかお仕事ご一緒させていただきましたが、それはそれはすごい人で、一言で言えば建築オタクって感じです。(山梨さん、すみません) 日建設計の山梨設計室は別名「山梨スクール」と呼ばれ、ハードな環境でみっちり建築に浸かる環境でした。その山梨さんが書かれた本ということで、「よし、私もプロの建築家になるために読んでみよう」ということで、さっそく読んでみました。
感想としては、「う~ん、山梨さんの真似をしても山梨さんにはなれないな。」と言うこと。自他共に認めるスーパーマンの山梨さんのスキルと経験はなかなか真似できない。この本はもしかして、「山梨室に入ってくる新人にフルイをかけるために書いたのでは」と思ってしまいます。「これくらいの本は読んで、これくらいの建築を見て、これくらいのことができるようになってからおいで」というメッセージではないでしょうか。とは言っても、とても丁寧に細かい、痒いところまで情報が盛りだくさんの大変お得な内容の本です。
本の中に、「建築のことなら何でも相談できて、それでいて尊敬できる先輩(メンター)」を探せとありました。私にはそのメンターの先輩がたくさんいます。これはその通り、メンターがいることは、プロになるために早道です。
シーラカンスの小嶋さんの言葉で「僕が日建にいたら、日建の技術力やリソースを徹底的に使いまくるよ」の一言が紹介されていましたが、まさに山梨さんは、日建のパワーを使いきって、200%にしている方と言っても過言では無いと思います。林昌二さんの言葉もいいです。「会社を一日に一度ぐらいは辞めたくなるっていうのはまともな人間の証拠です。建築ってそんな仕事なのですよ。」って励ましの言葉として最高ですね。私も聞いておけばよかった、、、。(^_^;)
本の中には、建築写真の加工の方法まで紹介されています。親切すぎる!内容盛りだくさんです。ちなみに私はフォトショップを買うお金がないので、GIMPを使ってます。
スケジュール表の意味について、多くのページが使われていました。複数のプロジェクトをこなしている日建設計の設計者にとって、特に人の3倍以上の仕事をしている山梨さんにとっては、スケジュール管理は一番大事な部分です。私のような小さな仕事しかしていない者にとっても、スケジュール管理はとても大切です。「誰が、いつ、なにをするか」をコントロールできれば、仕事はいくつでも出来るってことですね。
残念なことは、「プロの建築家」が働く場として、アトリエ事務所、組織設計事務所、ゼネコン設計部、インテリア設計事務所、不動産・銀行、官公庁・メーカーの営繕、ハウジングメーカー、建築専門雑誌編集部、などなど紹介されていましたが「工務店」が無い、、、。設計しながら家を建てている工務店ってたくさんあって、監理者のほとんどが建築士の有資格者なのに、、、。最近は大学でも木造在来工法を教えるところも増えてきて、大卒、院卒の新人も増えているのに、これは残念。増補版の時には、加筆してもらおう!
以上、つたない感想文でした。山梨さん、すみません。とても有益な本でした。ありがとうございました。m(_ _)m
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