2011年8月23日 学習・研鑽
次世代の会研修 at 武部建設
全国中小建築工事業団体連合会 工務店サポートセンター 次世代の会 主催の研修がありました。行き先は北海道で有名な武部建設さんです。エアDOに乗って出発です。
参加者人数も多いので貸し切りバスで移動です。
武部建設の武部社長です。木造住宅品質向上ワーキンググループでもご一緒させていただいております。大工職人を自社で育成し、技術力を前面に押し出した家造りをなさっています。古民家再生住宅も手がけており、とても有名な方です。
まず最初にワイン用ブドウを生産されている農家の住宅を見学させて頂きました。富山から開拓に来た農家の家を富山の大工が建てた民家だそうです。それをここに移築しています。
北海道の厳しい自然に対抗できるよう高い性能を持った住宅です。
吹きぬけの空間があり、夏は涼しく、冬は暖かい住宅です。断熱気密の性能はトップクラスです。
ラーチ合板をビス留めしただけの床。着色していて違和感はありません。これでも十分ですね。
吹きぬけ空間に設置された照明器具を吊るす金物。簡単な仕組みです。参考にさせてもらおっと。
上吊引き戸の上枠。枠に直にレールをつけてカーテンボックスのようになっています。工夫されてますね。
隣に建つ、農機具置場。
外壁はなんとOSBパネル。湿度の低い北海道だからできる業でしょうか。OSBは雨に濡れたり湿気が多いとボロボロになってしまう材料です。
続いて、宝水ワイナリーを見学しました。小樽の工場を移築したそうです。4ヶ月で建てたとのこと。すごいです。
ワイナリー工場とショップとギャラリーに使われています。お土産にワインも購入しました。
昔ながらのそのままの組み方で移築されています。
トラスの小屋組が軽快ですね。
こちらも床は構造用合板のままです。力強い古材の空間には、少々荒々しい材料の方が似合うのかもしれません。
こちらも軒天にOSBが使われていました。湿度の低いところならではなんでしょうね。
続いて作業場とストックヤードを見学させて頂きました。
信じられないくらい大量の古材がストックされています。
通常家を解体する際は重機を使って解体するのですが、古民家の場合はその構造体や建具などを再利用することになるので、手壊しと言って、大工が丁寧に解体することになります。当然解体にかかるコストもかかってきます。武部建設さんは、古材再利用することで機械壊しと同等以下の解体費でまかなっているそうです。
建具や家具も一つ一つストックされています。
昔のスキー板です。空間を飾るディスプレイとして活用されるのでしょう。
古いはしごやのこぎりなど。
照明器具などもきちんとストックされています。
タモの丸太です。天然乾燥だと使えるようになるには数十年かかるらしい。こんなものがゴロゴロしてます。敷地が広いってほんとにいいですね。
再生民家モデル住宅を拝見しました。
北海道由仁町にあった大正初期に建てられた農家住宅を会社の敷地内に移築再生したそうです。古材を上手に使い、現代的な手法やデザインを取り入れて、迫力のある高品質な家造りです。
元の住宅の写真。現代風にリフォームされていたそうです。もともとのオーナーさんは再生されたモデルハウスをみて悔しがったそうです。
場所を移動して本社の方にお伺いしました。
イベントホールの「結ホール」です。工務店がイベントホールを持ってます。スケールが違いすぎる!このホールも元は工場で、道産材を使用して、イベントホールにリノベーションしたそうです。
鉄骨の構造体の外側に木材で外壁を設置して、断熱性と居住性を高めています。
古材のサンプルです。ひっくり返すと、、、。
ひっくり返すと、きれいな木肌が現れます。古材とは言え、削るときれいです。
カラマツの梁です。カラマツは回転しながら成長するので製材しても狂いが生じます。製材したときは真っ直ぐだったんでしょうが、見事にねじれています。
続いて、個人住宅を見学させて頂きました。
断熱気密の高い住宅「Qワン住宅」(Q値1.0の意)だそうです。横浜では信じられないくらいの断熱材が施工されているそうです。
引き続きて現場の見学。
各現場にはこのような道具置場を設置するそうです。さすが北海道。敷地が広いので、可能なんですね。
自社で育成された大工さんが頑張っていました。
きれいに整理整頓されていました。我々も見習わなくては。
一日目はこれにて終了。明日に続きます。
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