2024年9月8日 学習・研鑽

北欧ツアー報告9日目(最終日)

北欧ツアー九日目の朝。
このツアーの最後の朝となります。

いつものように朝サウナ。
誰もいません。
貸切です。
滞在中にすっかりサウナにハマってしまいました。

家にサウナもないのに、ホームセンターではロウリュ用の桶と柄杓も買ってしまいました。

朝食後にヘルシンキ駅近くを散策。
ヘルシンキ駅近くのカンピ・ショッピングセンター(Kamppi Center)前の広場にある「カンピ礼拝堂(Kampin Kappeli)(2012年)」。
設計はフィンランドの設計事務所である「K2S設計事務所」。

中に入りたかったけど、日曜日の朝で閉まっていました。
残念。

外壁は松の木を曲げながらデッキビズで留め付けていました。

ガラス壁との取り合いはしびれます。

アアルト設計のフィンランディアホール(1971年)。

あいにく改修工事で閉館中です。

フィンランディアホールに近接して建てられている仮設施設。
「ピックフィンランディア」。
柱が枝付の丸太です。

市民広場に建つ「Helsinki」の看板。
観光客が皆記念撮影していました。

フィンランディアセンター近くにあるヘルシンキ中央図書館「Oodi」(2018年)。
コンペに勝ったヘルシンキを拠点に活動する「ALAアーキテクツ」設計によるもの。

度肝を抜かれる大迫力の無柱のピロティ。
見上げずにはいられない空間です。

大きなピロティ天井が繋がる内部空間。

天井から吊り下げられたようなツインの螺旋階段。

ここも見上げずにはいられません。

フリーのチェススペース。
日本だと囲碁将棋スペースですね。

天井は端に行くとドンドン下がってきます。

日本だとここまでは出来ないかな。

一般の図書や雑誌だけでなく、ゲーム機やミシンや刺繍機や大型プリンタや3Dプリンターの貸し出しも行っていました。

楽器演奏のためのスタジオや写真の撮影スタジオやゲーム室やオーディオ鑑賞室までありました。
日本の図書館とは価値観の違う施設ですね。

上階の閲覧室は、さらにまた度肝を抜かれる波打つ天井空間。

床の段差に合わせるように波打つ天井。

波打つ天井にはところどころに天窓が設置され、窓際でなくても十分な明るさを確保しています。

閲覧室から出ることが出来るデッキテラス。

デッキテラスからの眺め。
左に見えるのが、ヘルシンキ現代美術館(キアズマ)。

「世界一の図書館」とも称されるヘルシンキ中央図書館「Oodi」。
世界一と呼ばれる意味が分かりました。
こんな図書館がある街というだけで魅力があります。
開館と同時に市民が流れ込んでいました。
ハコだけでなく、ソフトも充実しており、多くの市民から愛されていることがわかります。

「Oodi」の東側のファサード。
西側の迫力と違っておとなしめの表情をしています。

Oodiの隣に建つ「Sanoma Media Finland」。

アトリウムのDPGガラスを支える柱がとてつもなく華奢で背が高い。

DPGの金物もとってもシンプル。
地震がなくて、台風が来ないと、こんなディテールが可能になります。

お隣にある「ヘルシンキ現代美術館(キアズマ)(1998年)」。
設計はスティーブン・ホール。

東側の上場はまったく

エントランス。

中を見たいところですが、時間がないので、エントランスホールだけ見て次に、、、、。

ヘルシンキの中心街を散策していると、このような雨の道を時折見かけます。
建物の雨水を車道に流すために掘られた歩道の小さな雨の道です。
なんだかほっこりします。

北欧の街は電柱がないので、上空がスッキリしています。

昨日は中を見る時間がなかったので、改めてアアルト設計の「アカデミア書店(1969年)」へ。
ヘルシンキの街中、老舗デパートのストックマン(Stockmann)の隣にあります。

入口。

入口脇に設置されたアアルトの銘板。

書店入り口部。

1階から見上げた天井のトップライト。

天窓のある三層吹き抜けに面して書棚が広がります。

たんなる開口に終わらないトップライトの造形が空間にいい感じのアクセントになっています。

階段はちょっとしたギャラリーになってます。

2階のホール。
イベントなどに使われるのでしょう。

アアルトの手摺ですね~。
ここかしこにアアルトの手の跡が見えます。

裏階段。

1階のエレベーターホール。

2階の「AALTO CAFE」でお茶したかったけど、時間が無いので又の機会に、、、。

バスに乗って移動し「文化の家 (1958年)」。
コンサートホールをメインとした複合施設で、オフィス棟と低層の講義棟とホール棟が中庭を挟んで繋がっています。

アアルトの銘板。

事務棟の後ろ側ファサード。

事務棟の東側ファサード。

銅板壁に、連続窓。

銅板はマイナスビス留め。

事務棟と講義棟の中庭部も銅板仕上げ。

中庭に面する事務棟のエントランス。

曲げた鉄と木の手摺。

エントランスピロティは照明器具が仕込まれています。

事務棟のエントランスホール。

現在はレストランになっているカフェ。
アアルトの照明器具が盛りだくさん。

ホール棟外壁のレンガ見本。

ホール棟へ移動。
ホワイエ。

ホール入り口。

ホールへ向かう階段。

いろいろなところにバーがあります。
お酒を飲む文化が浸透していることが分かります。

真鍮の手摺。
支柱が凝ってます。

メインホールは音響が良いので、フィンランディアホールができるまでは著名なアーティスト何多数コンサートを開いているそうです。
エリッククラプトンもフィンランドに来たらここでライブを開いているとのこと。

アアルトのスタジオにあった斜めのあの壁はこのホールのモックアップだったそうです。

ステージからの眺め。

小ホールのホワイエ。

絞り込まれた天窓を見上げる。

小ホール。

地下の映画館に繋がる階段。

映画館前のバー。

地下の映画館は、現在はディスコバーになっているとのこと。
65年経ってもちゃんと姿を変えても使われているのがよいですね。

空港に向かう帰路で(ミュールマキ教会(1984年)」を見学。

設計はグッドシェパード教会と同じユハ・レイヴィスカ。
長らく改修工事がなされていたそうですが、この9月にオープンしたばかりとのこと。
ラッキーでした。

タワーを見上げる。

幾層にも重なる複雑な構成。

エントランス部。
柱を強調させない組柱になってます。

珍しい北側からのファサード。
線路脇の間口の狭い敷地だったのでこのような奥行きが短く幅が広い礼拝堂になったとのこと。

裏側玄関。
メイン玄関と同じディテール。
裏側だからと手を抜いていませんね。

祭壇脇の採光窓を外側から見る。

グッドシェパード教会と同じランプが空中乱舞しています。

ランプが舞う姿は、音符のようでもあり、天使が飛んでいるようでもあります。

祭壇の光の入り方がいいですよね~。

美しい空間です。

パイプオルガンの造形もいいですね。

小礼拝堂。
こちらのランプは控えめな感じ。

光の取り入れ方がやはり上手ですね。

長く続いた北欧ツアーもこれで終わり。
ヘルシンキ空港に到着しました。

空港の設計は「ALAアーキテクツ」。
ヘルシンキ中央図書館「Oodi」と同じ設計者です。

とっても名残惜しい。
最後に空港でラーメンを食べようとしたのですが、お値段なんと3400円。
諦めました。(^^;

スウェーデン、フィンランドと2国でアスプルンドとアアルトを巡る旅もこれで最後です。

ロシア上空を避けて帰りは南側を迂回して帰ってきました。

多くの学びを得ることが出来ました。
これからの設計にかなり影響を受けることになると思います。
妥協することなく、美しい建築を作り続けていきたいと思います。
日本に到着すると、うだるような暑さ。
フィンランドが恋しい。
これからまた頑張って仕事します。



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