2018年1月6日 不具合・問題・調整

高気密住宅と換気について

 

昨晩、家での事件。

「誰かオナラした?」

ダイニングの階段入り口付近に来るとオナラ臭いのです。30分たってもまだ臭い。そこを通ると臭いが気になる。家族内には犯人はいないようなので、原因を探ることに。

 

 

探っていくと、階段下に設置した床下エアコンのガラリ部分がほんのりと香る。床下エアコンの吸気ガラリを開けると確かにここが臭い。

 

 

床下の汚水でも漏れているのかと床下を調査するも床下は臭くない。床下エアコン設置スペースの空きスペースに置いている非常持ち出し袋内の非常食が腐っているのか?いや、腐っていない。頭をひねらせても臭いの発生源が分からない。周囲に直接鼻をつけて警察犬のようにクンクンとやってみる。

 

 

しばらく嗅ぎ回って、どうやらエアコンの左側がなんとなく臭い。エアコンフィルターにネズミがオシッコでもしたのか?と調べるがそんな形跡はない。C値0.3のこの家に、ネズミなど入ってくる隙間は無い。

しばらく悩んだ後、エアコンにつながれたドレンホースに気がつきました。「そうだ、思い出した。新築時にエアコンのドレンを確保していなくて、排水管に接続していた!」ドレンとは、エアコンのコンプレッサーで圧縮され高温化した空気が配管内で自然冷却された際に結露した水分のことです。エアコンにはこの結露水を排水するための配管があって、通常は室外機付近の地面に流されます。基礎内に排水穴を設けて外部に排出するのがセオリーですが、自宅は床下エアコンを初めて設置したこともあって、このドレン水を排水するための経路を確保しなければならないことを施工中に気づきました。そこで仕方なく汚水排水管に接続したのでした。

 

 

このお正月休みに自宅の改良をいろいろと施しました。床下エアコンの設置部分の蓋の気密を上げたり、浴室やトイレの換気スイッチをタイマーのものに替えたり、ソーラーウォーマーの吸気ダクトを改良したりといろいろです。写真はソーラーウォーマーの床下への吹き出し口の様子。逆流防止の弁を取り付けました。

 

 

空調をしているときはロフトに設置した全熱交換器(第1種換気設備)にて換気をしています。12月に入って空調する機会が増えていました。フィルターを見てみるとたった一ヶ月ですが、吸気フィルターにビッチリと埃が詰まっていました。

 

 

これだけフィルターが目詰まりすると当然吸い込む風量が低下します。排気量に比べて給気量が不足するので、当然、家の内部が負圧になってしまいます。事実、昨晩吸気口を調べるとかるく1m/sを超えていて、かなりの風量でした。

原因がこれではっきりしました。原因は全熱交換機の吸気フィルターの目詰まりによる排気不足によって引き起こされた内部負圧でした。12月の途中に設置したソーラーウォーマーの取入口からの夜間の吸気が多かったことも納得です。足りない吸気をソーラーウォーマーの吸気口から吸ってしまっていたのですが、夜間の吸気口から冷気の流入を気にして、昨日この吸気口を一時的に塞いでいました。浴室やトイレの換気スイッチを交換した際に排気を繰り返したことも原因の一つ。空気の取り入れ口が減っていたところに、通常よりも多い排気を行ってしまったため、室内がかなりの負圧になっていたようです。気密性能が高いことが災いして、汚水配管内の空気がエアコンのドレン配管を通して吸い込まれていたと思われます。

 

整理すると、
①全熱交換器のフィルター目詰まり
②吸気口代わりとなっていたソーラーウォーマーの取入口を閉じた
③浴室やトイレの換気スイッチを取り替えたことで第3種排気を頻繁に行った
④上記による室内負圧の上昇
⑤エアコンドレン配管からの臭気逆流
となるかと思います。

 

エアコンのドレンを汚水配水管に接続するのはNGなことです。今回は仕方が無いので逆止弁などを設置することなどで改善検討したいと思います。お客様のところでなかったことが不幸中の幸いです。日頃のメンテナンスの大事さも改めて分かりました。新しいことすると、いろいろと予期せぬことが起きますね。だから楽しいとも言えます。(^_^;

 



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