2009年11月14日 不具合・問題・調整
雨漏れの行方
10年近く前に竣工した建物の雨水浸入の改修を行っています。竣工当時から雨漏れがあったそうで、いろいろと対策を重ねながら、対応してきたそうですが、どうにも雨水浸入が止まらないので、調査に伺いました。トップライトからの雨水浸入と思われていたようですが、原因はトップライトでなくその上部にある袖壁の笠木でした。シンプルでカッコいい収まりですが、降った雨をきちんと排水できずに、壁内に雨水を呼び込んでしまっていました。
長年雨水が浸入したことにより、構造躯体にまで腐朽菌が繁殖し、シロアリも巣居していました。腐ってしまった構造体を撤去し、全て新しい構造体に入れ替える作業を行っています。
外壁を撤去すると腐朽してしまった木材はほとんど原型をとどめず、もはや土と化していました。
家造りにとって一番危険なことは、「雨漏り」です。どんなに大きな梁にしても、どんなに上等な材料を使っても、構造体が濡れてしまうことで腐朽菌が繁殖し、構造体自体が腐ってしまいます。どんなに丈夫な構造体にしても、支える構造体が腐ってしまうと地震に対してまったく用をなさなくなってしまいます。たとえ雨漏りが起きたとしても、すぐに対応して、木材が乾燥すれば、腐朽は起こりません。長い間湿潤状態を保ってしまうことで腐朽が進みます。日頃の点検とメンテナンスって大事です。
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