台風の前と後でやること
はじめに
温暖化の影響か、このところ、これまで体験をしていないような規模やルートでの台風の上陸が相次いでいます。日本全国で台風の被害があり、火災保険の掛け金も毎年のように上がっています。
2019年9月に関東地方に上陸し、関東地方に大きな被害をもたらせた台風15号の通過後に被害の大きかった千葉県館山市に支援に行ってきました。あまり報道はされていませんが、古い家屋だけでなく、築年数の浅い建物も何かしらの被害を受けていました。「新しいから」と油断は禁物です。
電気が通じたばかりのスーパーも覗いてきましたが、火を使わない食べ物、飲料水があっという間に売り切れていました。これらは普段に常備できるものです。
営業しているガソリンスタンドも長蛇の列で、給油するには半日待ちとのことでした。
どこから飛んできたものか分からないものが、外壁や窓にぶつかり、被害を拡大していました。ご近所に迷惑をかけないように、飛散物を無くすようにしてください。
台風に備えて、準備と対応について下記にまとめました。出来得る限りの万全の準備をお願いできればと思います。
事前の準備
まず、自治体のハザードマップを確認しておきましょう。自宅が範囲に入っているのか確認します。
横浜市の場合は下記となります。洪水、内水、土砂災害などあるので、それぞれチェック!
◎横浜市「防災の地図」
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/bousai-kyukyu-bohan/bousai-saigai/map/map.html
<準備すること>
- 断水に備えて、浴槽やバケツなどに水を貯めておく。
- 充電できるものには充電しておく。
- 水、電池、食糧のストックをしておく。
ガスが止まることもあります。カセットコンロ、カセットガスもストックがあると安心です。 - 停電の際に慌てないように、懐中電灯など分かりやすい場所に出して置く。
- ラジオを聞くことが出来るか確認する。電池切れに注意。
電気が通じていないと当然ながらTVやインターネットは使えません。携帯も通じない可能性があります。情報はラジオが頼りになることもあります。 - 火災保険内容を確認する。
風災、水災に対しての補償がされているか? - 建物の周りで不具合が無いか確認する。
雨どいや外壁が外れそうになっていたら、すぐに連絡ください。事前に外しておくだけでも被害が少なくなります。 - 家の車のガソリンは、満タンにしておく。
- 雨戸やシャッターがある場合は閉める。鍵もかける。
- 外部の風で飛びそうなもの(日除けタープ、よしず、すだれ、物干し竿、植木鉢、ガーデニング用品、ガーデン用品など)は、内部に取り込むか、下に下ろし、風で飛ばないようにする。
自転車が飛んでいってしまう場合もあります。自転車にもロープをかけるなど対策する。 - 窓のカギをかける。
突風で窓が開いてしまう可能性もあります。一か所でも窓がが開いてしまうと、建物内に急激な圧力差が生じて、他のガラスが吹き飛ぶ可能性もあります。 - 水災の恐れのある地域の場合は、大事なものを2階に移動させておく。
浸水は一気に水位が変わる場合があります。浸水し始めてからでは間に合わない可能性があります。 - 避難勧告が出たら、暴風に入る前に迷わず避難。暴風に入ってしまっていたら、家の中で安全と思われる場所で通過を待つ。土砂災害や浸水の恐れのある場合は2階、暴風の危険のある場合は1階中央または風下側。
台風通過中
- もし被害が出ても、暴風時間には外には出ない。
大きなトタン屋根が飛んでくることもあります。命が大事です。 - 暴風時間内に窓や扉を絶対に開けない。
様子を見ようと窓や扉を開けてしまうと、圧力差で窓や扉が吹き飛びます。
台風通過後
<まず最初に>
- 家の周りをチェックする。
雨漏りなどが起きていなくても、屋根の板金や樋が外れていることなどがあります。気になることがあれば、写真を撮ってメールで送ってください。 - 塩害が出ている可能性があります。窓ガラスを舐めてみて、塩っぱい場合は台風が海水を巻き上げています。鉄部の錆が進行したり、庭木が枯れてしまいますので、水道ホースでたっぷり水をかけてください。
- 台風後は枯葉などが飛び散っています。樋などに詰まっている可能性もあるので、可能な限り取り除いてください。
<被害が確認できた場合>
- 屋根の板金や樋が外れている、ガラスが割れている、ガレージの屋根が飛んでいるなど被害がある場合は、写真を撮って、被害状況をメールで送ってください。
- 棟板金や樋などは周辺に置ちている可能性があります。瓦が飛んだ場合は、遠くへは飛ばずに近くに落ちています。外れてしまった部品があると、応急処置には有効です。また再利用が可能な場合もあるので、大事に保管してください。遠くに飛んでしまっている場合もあるので、風が強かった時間帯の風下側を可能な範囲で探してみてください。
- もし被害がある場合、火災保険の風災適応、水災適応になる場合がほとんどなので、火災保険を確認してください。(風災オプションには入っておきましょう。水災オプションは、浸水の可能性がある場合には加入ください。土砂災害の可能性がある場合は、土砂災害オプションも)
- 火災保険会社に被害状況を連絡してください。なかなか連絡がつかない可能性が高いです。被害の状況写真が残っていれば問題ありませんので、慌てなくても大丈夫です。
- 被害状況を極力多く写真を撮ってください。全景、中景、近景などいろいろ撮っておく。周辺(ご近所)の様子も撮っておく。室内に被害がある場合は、家財も補償されますので、写真を撮っておいてください。
- 火災保険は「自分の家」に入るもの。ですので、風災についても自分の家だけが保険対象です。自分の家の何かが飛んでお隣を壊してしまった場合、お隣の家の修理には保険が適用されません。お隣の家は、お隣の家で入っている保険で直してもらうことになります。
<注意事項>
- 屋根の上はプロでも危険な場所です。無理に屋根に登らないでください。気になることがあれば、ご連絡ください。
- 大きな被害があった後には、火事場泥棒的な悪徳リフォーム会社が必ず出てきます。実際に昨年の大阪ではそのような奴らが荒稼ぎしたと聞きます。「近所の修理に来たついでに見てあげる」的な言葉で誘ってきます。くれぐれもお気をつけください。
- 大きな被害がある場合、緊急性の高いところから順に対応いたします。その後は申込順となります。数日間はインフラが通じない、道路が通行できないなどでご連絡が出来ない可能性もあります。
- あすなろ建築工房の事務所には、災害に備えてブルーシート、土嚢、発電機などの常備が十分にあります。あすなろ建築工房のお客様には優先的に応急処置に伺います。
長くなりましたが、「備えあれば憂いなし」、普段から最善の準備をお願いいたします。
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