メンテナンス

木製玄関扉のメンテナンス

あすなろ建築工房では、玄関ポーチの雨かかりの内部分などの壁仕上げを羽目板仕上げにしてアクセントとすることがとても多くあります。

羽目板はレッドシダーを用いることが多いです。木製玄関扉と一体化して、高級な玄関周りを醸し出してくれます。

レッドシダーは油気が多いので、水をはじきやすく、軽くて加工もしやすいので、外部には使いやすい材料です。仕上げとして何かしらの塗装をした方がよい材料です。塗装をしていないとすぐにグレーになり、水を吸うと割れやすくなります。定期的(2~3年に一度)の塗装が必要です。

玄関扉は、断熱性能に優れた木製の断熱扉です。扉の厚さは厚くても80mm程度ですから、壁の厚さに比べるとかなり薄くなります。当然ながら断熱的に不利な部分となりますので、しっかりと高性能な扉を採用することをお勧めします。最近は鋼製扉でも断熱性能の良いものも開発されてきましたが、やはり木製ドアには適いません。

少し値は張りますが、高級な木製断熱扉は、反りが少なく、製品安定性に優れています。玄関扉の性能としてはとても大事です。玄関扉は毎日触れ、毎日目にするものですから、ここは本当に良いものを選択していただきたい部分です。

木製玄関扉は、「突き板」と呼ばれる無垢の薄い板(1mm程度)が仕上げ材として貼ってあります。無垢材なので、どうしてもカビが生えてくることがあります。

新築時にも塗装はしてあるのですが、2年位すると表面にうっすらと黒い点々としたカビが気になってきます。カビは空中にもありますが、人の手などから運ばれてきます。手の触れる部分はカビやすくなります。また日本は、梅雨の時期にどうしてもカビが繁殖してしまう温度湿度が続いてしまいます。風通しの悪い場所の外部の木部はどうしてもカビやすくなります。

玄関扉は東や西や北などの陰となる部分に設置されることも多いので、カビが生えることはとても多くあります。

表面に黒い点々が気になりだしたら、お手入れの時期です。ご家庭にあるカビ取り剤でお手入れしてください。

手の触れる部分などに気になるカビが出てきたら、カビ取り剤を2倍くらいに希釈して、雑巾でこすってみてください。

カビ取り剤は直接肌が触れると肌が荒れる場合があるので、手袋を忘れずに。希釈したカビ取り剤を含ませた雑巾で軽く表面をなぞってあげます。

カビが若い(根が生えてない)状態であれば、すぐにきれいになります。

もし、雑巾でこすっても黒い部分が落ちない場合は、根が生えてしまっています。その場合はメラミンスポンジ(マジックスポンジ)の出番です。先ほどの希釈したカビ取り剤を含ませて、今度はごしごしとしっかりと擦って見て下さい。

メラミンスポンジでのメンテナンスの様子を動画でご確認下さい。黒いカビが消えていくことをご確認いただけます。

カビを落とした後の様子。擦った部分が白くなって塗装が落ちていることが分かります。

気になるカビを擦って落とします。玄関扉がハゲハゲにまだらになっていますね。大丈夫です。後日塗装してきれいに仕上げます。次の作業は、扉が十分に乾いてから行って下さい。カビ取り剤を塗ってから数日後がよいと思います。

次に扉全体をサンドペーパーで下地をつくります。メラミンスポンジで擦ってムラとなった部分がなんとなく分からなくなる感じまで表面全体を擦っていきます。

鍵やハンドル部分が出っ張っていると作業がしにくくなるので、外すことが出来る部分は外すと作業が楽になります。ハンドルは外しやすいので外しましたが、錠前は大変なのでそのままにしています。

ハンドルを外す場合には、ラッチがかからないようにテープで留めて置くことをお忘れ無く。ハンドルが無い状態でラッチがかかると外から扉を開けることが出来なくなりますので。(^^)

ムラが気にならなくなるくらいまで、全体を擦って下さい。

最後の仕上げは、塗装です。元々扉に塗ってあったものと同じ塗料がよいです。塗装の前にしっかりと養生(扉以外に塗料が付かないようにマスキングテープでカバーすること)を行ってください。プロと素人の仕上がりの差は、この養生の差です。プロは養生をしっかりと行います。丁寧な養生は仕上がりがとても良くなります。

素人はどうしても塗装を垂らしがちです。特に足下に塗料を付けてしまわないようにしっかりと養生を行ってから作業を行って下さい。

天井や壁際もしっかり養生します。天井に塗料が付いてしまうと、後が大変です。

準備が出来たら、塗装に入ります。サンドペーパーで

子供でも作業できます。家族皆で作業するのもよいと思います。小さな頃から家のメンテナンスを肌で感じておくことも大事な情操教育だと思っていたりします。

まずは刷毛(はけ)で扉全体に塗っていきます。このときに刷毛に塗料を付けすぎないように注意して下さい。付けすぎると床に垂れてしまいます。薄く塗り延ばすのがコツです。

刷毛で全体に塗った後に、乾いた雑巾で擦り込んで行きます。プロの塗装屋さんはこの作業をしないで一発で刷毛塗りできれいに仕上げることが出来るのですが、素人の場合はこの雑巾仕上げがよいと思います。塗りむらが無くなり、きれいに仕上がります。

塗装を終えたら、養生を撤去して完成です。

新品同様にきれいになりました。メンテナンスはこまめに行うのがよいです。間が空きすぎると汚れが取れにくくなります。こまめなメンテナンスできれいな状態を維持することが出来ます。

もしも扉の上下左右の隙間が均等で無い場合には、ヒンジの調整も行っておくとよいです。

「新築時はスッと閉まっていたのに、最近はハンドルで引き寄せないとラッチがかからない」って時は、扉が垂れて居る可能性があります。

どんなものでも可動するものは調整が必要です。日々の使用でだんだんと扉も重みで垂れさがって来るものです。これを調整してあげる必要があります。

ヒンジカバーを外すと調整ネジが見えます。

ヒンジカバーもうっすらと錆が浮いてなんだか汚れています。

ステンレス材料はメラミンスポンジできれいになります。

ヒンジの調整は少しだけコツが必要です。DIYが得意な人向けです。メーカーの説明書を読みながら調整してみて下さい。ご自分で難しい場合は、家守り工務店にご連絡下さい。動きの悪かった扉もスムーズに開閉するようになります。

以上、木製玄関扉のメンテナンス方法のご紹介でした。

玄関扉がきれいだととても気持ちが良いものです。家族や来訪者を出迎える大事なアイテムが玄関扉です。是非しっかりメンテナンスを行ってあげてください。


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