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新築戸建て固定資産税の相場は?額を抑える方法や減税もチェック

新築戸建てを建てたる際に固定資産税がいくらになるのか気になる方がほとんどでしょう。家や土地の評価によって決まる固定資産税ですが、大体の相場があり多少前後するほどなので、事前に確認することがおすすめです。

本記事は、新築戸建ての固定資産税の相場や、固定資産税評価額を押さえるポイントを紹介します。その土地・家を持つ限り払い続けなければいけない固定資産税なので、少しでも負担を減らせられるよう、必要な知識を取り入れておきましょう。

固定資産税とは

固定資産税 とは

固定資産税とは、家屋・土地を所有する方が毎年自治体に納めなければいけない地方税です。戸建てはもちろん、マンションを所有する方も家屋・土地分の固定資産税を支払わなければいけません。

家のローン返済は完済すると負担はなくなりますが、固定資産税は土地・家屋を持ち続ける期間ずっと払い続ける必要があるため、家を建てるときは意識しておく必要があるのです。

また、金額は立地や土地の広さ、家の評価によって変動するため、少しでも負担を押さえようと思う方は土地を決める際や家を建てる段階で工夫しなくてはいけません。気になる支払い方法や評価については以下の通りです。

支払い方法

固定資産税は、一括払いと年4回の分割払いから選択して支払います。1月1日時点で土地・家屋を所有している方は、4~5月までに納税通知書が届き、分割払い用と一括払い用の納付書が同封されています。

一括払いを選択する場合は、第1期の納付期限を過ぎてしまうと、延滞金が発生してしまうため注意してください。4分割払いは大体第1期が5月、第2期が7月、第3期が12~1月、第4期が2月中までが期限となっているケースが多いです。

支払期限や一括払いがあるかどうかは各自治体により異なるため、公式サイトや市役所で確認することをおすすめします。支払い方法は以下です。

  • 市町村・金融機関の窓口
  • コンビニエンスストア
  • 口座振替
  • スマートフォン決済
  • クレジットカード
  • ペイジー
  • eLTAX

3年ごとに評価替えがある

固定資産税は総務大臣が定める固定資産評価基準を基にした、土地・家屋の評価によって額が決まります。評価替えが3年ごとにあるため、
築年数により評価が下がっていく家屋の固定資産税は年々下がる傾向
にあります。

家屋は築年数により経年減点補正率が上がるため安くなっていくのですが、最終残存率は2割と定められているので0円になることはありません。一方土地は、市街地だと路線価方式、田舎は標準宅地比準方式で固定資産税が決まります。

土地は劣化することがないので、年数で固定資産税が下がることはありませんが、経済状況などで評価額が変動することがあります。

新築戸建ての固定資産税の平均相場

新築戸建て 固定資産税

新築戸建ての固定資産税の平均相場は、年間10~15万前後と言われています。土地が広かったり、家屋が広く豪華な場合は相場よりも高い固定資産税を納税することになるでしょう。

また、200㎡以下の土地は小規模住宅用地として扱われるので、住宅用地特例が適用し低資産税評価額が1/6になります。

一方家屋は、住宅移住部分の床面積が50~280㎡以内に収まっていると、減額借置の対象となるため、
床面積120㎡までの固定資産税が1/2
になります。

新築戸建て固定資産税の基本的な計算方法

新築戸建て 計算方法

続いて、新築戸建ての固定資産税の基本的な計算方法を紹介します。固定資産税の計算方法は、土地や家屋で異なります。

以下で紹介する計算方法は基本なため、固定資産税評価額や各自治体の標準税率で金額が変動し、必ず結果通りの固定資産税額になるとは限らないため注意してください。

土地の固定資産税の計算方法

土地の基本的な固定資産税の計算方法は、以下になります。

 

土地の固定資産の評価額(課税標準額)×1.4%(標準税率)

 

土地の固定資産税評価額は、土地本来の適正な価格(正常売買価格)を基に決められます。また、土地の固定資産税は用途によっても額が変動し、宅地の場合は隣接する道路の価格を基に定めた路線価方式で計算されることが一般的です。

一方、住宅地などの市街地ではない田舎だと、近くの土地と比較する標準宅地比準方式で計算されるケースもあります。

建物固定資産税の計算方法

家屋の固定資産税の基本の計算方法は、以下です。

 

課税台帳に登録されている価格×1.4%(標準税率)

 

課税台帳とは市町村長が作成する所在地や所有者、評価額を登録した帳簿です。課税台帳は市役所で、納税義務者や同居の家族、納税義務者から委任を受けた方が確認できる仕組みとなっています。

また、家屋の場合は築年数が経過するにつれ、経年減点補正率が上がり固定資産税が安くなっていきます。固定資産税の額が去年より安くなっている場合は、評価替えによるものだと覚えておきましょう。

6,000万円の新築戸建ての固定資産税例

例えば、土地が3,000万円、建物が3,000万円の新築戸建ての場合、固定資産税評価額は土地が3,000万円の70%で2,100万円、建物が3,000万円の60%で1,800万円になります。

 

土地:2,100万円×1.4%×1/6(小規模住宅の課税標準)⁼49,000円

家屋:1,800万円×1.4%×1/2(新築住宅の軽減借置)⁼126,000円

49,000円+126,000円⁼175,000円

 

よって、土地・家屋の固定資産税は年間175,000円となります。

新築戸建ての固定資産税を軽減するコツ

固定資産税 軽減するコツ

固定資産税は土地や家屋を所有する期間ずっと払い続ける必要があります。完済するローンとは違い、長く付き合っていく固定資産税なため、少しでも安く抑えられるコツを取り入れましょう。

シンプルな間取りにする

家屋は凹凸のある複雑な形状よりもシンプルな四角形の形状の方が施行面積が狭いと判断されて、固定資産税が安くなります。また、同じ床面積の家屋であっても、間取りが細かく分かれている方が固定資産税が高くなります。

家屋の評価は施行費用がかかっている方が高くなるため、間取や形状はできるだけシンプルな作りにすることで税金対策となるのです。しかし、長く住む家なため、固定資産税だけを気にするのではなく、利便性も考慮しましょう。

シンプルな屋根の形状にする

切妻や寄棟、方形、片流れなどの勾配が緩やかな一般的な屋根は、固定資産税を抑えられます。反対に、腰折れ屋根などの勾配が大きい珍しい屋根だと、建築費用が高くなると同時に固定資産税の評価額も上がるため、多くの税金を払わなければいけません。

また、屋根材でも納める税金が変動します。ストレート屋根は評価額が安い傾向にあり、長く持ち丈夫な瓦や鋼板屋根は評価が高いです。

しかし、ストレート屋根は、長持ちしないため定期的なメンテナンスが必要となります。税金かメンテナンス費用どちらが負担になるのか考慮した上で、屋根材を選んでください。

シンプルな外壁材にする

デザインやランクの幅も広いサイディングが一般的な外壁材となっています。価格によってデザインや対候性も様々です。しかしながら「目地」と呼ばれる継ぎ目のコーキングの打ち換えメンテナンスが10年に1度のペースで行う必要があります。外壁の塗装との頻度の違いに注意が必要です。

ガルバリウム外壁は初期費用が高いですが、耐久性に優れているためメンテナンス費用を抑えることができますまた、最近人気の高い板張りは、ガルバ外壁よりも固定資産税の評価は低くなります。サイディングと同様に、塗装という、定期的なメンテナンスが必要です。

不必要な設備は省く

固定資産税は家屋の中の設備も反映されます。

  • 開閉式の天窓
  • ホームエレベーター
  • システムキッチン
  • 床暖房
  • 天井埋め込みのエアコン
  • 屋根一体型太陽光発電

上記は代表的な固定資産税を高くする設備です。

新築戸建ての夢のマイホームで税金のために我慢しなくて良いですが、なくても良い設備は省いた方が維持費や税金を抑えられます。

上記の設備の中で最も家屋の評価を上げるのが、ホームエレベーターです。体の不自由な方が家族に居る場合は、エレベーターがあると便利になりますが、その先の税金のことを考慮すると1階だけで生活できる構造にするのも1つの手と考えられます。

土地を分筆する

土地を分筆することで、節税対策になることがあります。土地の地盤の状況により不動産価値が評価されるのですが、評価が高い土地と低い土地を分けて登記登録すると、低い土地の固定資産税が安くなることもあります

土地の分筆は相続税や贈与税の節税対策以外にも有効的ですし、遺産分割や土地の一部を売却しやすくなるメリットもあります。

しかし、土地を分筆することで売却価値が下がったり、新築の場合、容積率や建ぺい率の問題で思い通りの広さの家が建てられない可能性もあるため、リスクも考慮したうえで取り入れてください。

土地の登記簿と実際の面積に間違いがないか確認

各自治体から通知が来る固定資産税ですが、金額が適正ではなく税金を過払いしていたケースも意外と多いものです。土地の登記簿と実際の面積が間違っていないか、納税通知書の内容に誤りがないかを確認し、正確な税金を納めましょう。

納税通知書で確認するポイントは以下の通りとなります。手元にある登記事項証明書と照らし合わせることで、不備がないか確認することができますから実践してみてください。

  • 対象の土地や建物
  • 名義
  • 地積や床面積
  • 地目
  • 建物の構造

長期優良住宅の認定に向けて申請

長期優良住宅に認定されると、住宅ローン控除を受けられたり、固定資産税や登録免許税、不動産取得税が安くなります。認定長期優良住宅とは、長く良好な状態で住み続けられる家を指し、以下の項目を満たす必要があります。

項目 内容
居住環境 住居環境の維持や向上への配慮
住戸面積 戸建て住宅の基準は75平方メートル以上
省エネルギー性 断熱等性能等級/等級5かつ一次エネルギー消費量等級/等級6
劣化対策 劣化対策等級(構造躯体等)等級3に該当
耐震性 住宅品質確保促進法・耐震等級1~3に該当
維持管理・更新の容易性 新築戸建ての場合、維持管理対策等級/等級3
維持保全計画 構造耐力上主要な部分、給水または排水のための設備、雨水の浸入を防止する部分の定期的なメンテナンス
災害配慮 所管行政庁が定めた措置を満たす

固定資産税の注意点

固定資産税 注意点

地方税となる固定資産税は、定められた決まりがあるため、新築戸建てを建てる前にしっかり内容を確認しましょう。以下では、固定資産税にまつわる注意点を紹介します。

滞納すると延滞金が発生

納期期限を過ぎた場合、翌日から延滞金が発生します。延滞金は年度ごとに異なり、例えば令和4年の1月1日~12月31日の場合、納期期限1ヶ月以内の滞納で2.4%、以降は8.7%です。

滞納が続くと差し押さえになる可能性もあるため、支払いが難しいと判断した時点で早期に市町村や各自治体に相談し、分割納付や猶予の知識を取り入れましょう。

取り壊し・土地の引き払いは年内に完了

固定資産税は、1月1日時点で土地や家屋を所有している方に支払い義務が生じます。そのため、引き払いをしたい場合は、12月31日までに済ませることで、無駄な税金を支払う必要がなくなります。

家屋を12月31日までに取り壊すと、家屋に対する税金は安くなりますが、土地の軽減借置きが適用されなくなります。土地だけの方が固定資産税が高くなる傾向があるため、空き屋を残したままにする問題も浮上しているのです。

新築の軽減措置とは

新築 軽減措置

新築戸建ての場合、軽減借置が適用され、3年間の固定資産税が1/2になり、4年目以降は本来の額を納める必要があります。この軽減借置は認定長期優良住宅だと5年間、認定長期優良住宅マンションだと7年間適用されます。

軽減借置は自身で手続きをする必要があり、申告期限は翌年の1月31日までです。固定資産税の住宅用地等申告書を、市区町村に提出すると申告できるため、忘れないようにしましょう。

都市計画税について

都市計画税とは、市街化区域に土地や家屋を所有する方に支払い義務が生じる税金です。市街化区域は10年以内に優先的に市街化しなくてはいけない区域を指し、都市計画税は道路や水道などの公共施設の整備として使用されます。

都市計画税は固定資産税と一緒に請求され、同じく土地や家屋を持つ限り支払い続ける税金です。

賢く制度を取り入れ固定資産税を少しでも抑えよう

固定資産税 賢い

本記事は、新築戸建ての固定資産税の平均相場や、固定資産税を安く抑えるコツについて紹介しました。固定資産税の平均相場は10~15万円と言われていますが、土地が平均より広かったり、家屋が立派だとさらに高い税金を納めなければいけません。

土地や家屋を所有し続ける限り支払い義務が生じる地方税なため、新築戸建てを建てる際は節税対策も考慮することをおすすめします。

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