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火災保険料がまた値上げ!オトクな技もご紹介

なんでも値上がりが続く昨今ですが、住宅には欠かせない火災保険まで2024年10月に値上がりすることが発表されていますね。

火災保険料の値上げは直近5年間で4度目となります。

家づくりをお考えの方には、頭の痛い話になりますよね。

そこで今回は、火災保険値上がりの理由や改訂のポイント、少しでも保険料を抑える裏技をお伝えします。

値上がりが続く火災保険

火災保険の保険適用は火災だけでなく、水害や風害に対しても保険が適用となります
(加入している保険の種類やオプションにもよります)

近年の線状降水帯の多発により、浸水や土砂崩れの被害が増えて、保険請求がとても増えています。

2年前の熱海の土砂災害も記憶に新しいことでしょう。

近年の自然災害の増加に対応するために、この数年間は毎年6%〜13%保険料が引き上げられています。

5年間で見た場合、保険料は4割上昇しました。

国内での豪雨被害の多発、世界的な災害の増加によって、保険会社がリスクを外部へ転嫁するための再保険料が高騰していることが一番の理由です。

今回の改訂のポイント

今回の変更には大きく二つのポイントがあります。

一つは「保険料の値上げ」です。

全国平均で13%の保険料が値上げされます。

もう一つは「水災補償に対する保険料が水災リスクに応じた5段階に細分化」されたことです。

水災リスクの違いによる公平の観点から、水災補償に対する保険料が5段階に細分化されています。

水害のリスクが高い地域は、リスクの低い地域に比べて約1.2倍の保険料を加算されることになるのです。

ご自分のお住まいの地域が、どこになるのかは災害保険料率算出機構にて判断できます。

この検索結果で、ご自宅や建設地が「4等地」や「5等地」の場合はそれなりの保険料値上げになります。

上がり続ける保険料

2022年10月にも保険料は大幅に見直されました。

2022年の改正の際は、保険適用期間が10年から5年に短縮されました。

以前は最長で36年間の保険に入ることも可能だったのですが、2015年の改定の際、最長10年に改訂され、2年前に最長で5年間にまで短くなったのです。

自然災害などのリスクを予想して保険料が決定されていましたが、自然災害が想定していたよりも頻繁に起こるようになりました。

保険金額も膨大になっていることから、保険会社がリスクを軽視できなくなったために、期間がどんどん短縮されています。

自動車保険と同じで、火災保険も契約が長期になるほど割引が効いて、保険料が安くなります。

保険料の支払い方法も、毎月支払う「月払い 」や1年分をまとめて払う「年払い」ではなく、契約時に全期間分をまとめて支払う「一括払い」にすると大変お得になっていました。

36年間一括払いでもそれほど高くはなかったので、2015年より以前に36年間一括払いで保険に入れた人はとても運が良かったと言えるでしょう。

火災保険は水漏れなどの損害に対しても保険請求が可能となっています。

2022年の冬に全国的に寒波がきたことを覚えていますでしょうか。

水道管が凍結して破裂してしまい、保険請求がとても増えたそうです。

とくに建物が古くなるにつれて、給排水設備の老朽化が進むため、築年数が経っている住宅の保険請求が増えていきます。

このような理由から、築古の住宅の保険料が割り増しになっています。

2022年の改定の際には、家財の「水濡れ」の保険請求の場合の免責金額が、無料から5万円に免責金額が設けられました。

現在新築住宅を建設中の方で、建設地が水災料率が「5等地」となる方は、火災保険料が爆上がりとなる方もいらっしゃると思います。

そのような方の中には「2024年10月からの改正の前に火災保険に入っておきたい」という方もいらっしゃるかもしれません。

オトクな火災保険加入方法

基本的には火災保険は家が完成するのと同時に入るものですが、裏技があります。

それは「工事中に火災保険に入る」という方法です。

JBNいえもり火災保険

パンフレットはこちら

全国の工務店組織であるJBN全国工務店協会が提供している火災保険です。

火災保険や地震保険は、建物が完成して施工者から引き渡しを受けた日に加入することが一般的ですが、この保険は工事中から加入するものです。

工事中に加入できるので、完成が10月1日を超えるご計画のお家の方も、改訂前に保険に入ることが出来ます。

そもそもこの保険は、工事請負契約にある「天災等の不可抗力によって発生した損害」を保険適用させるために考案されたものです。

東日本大震災の津波被害の対応策として考えられたものなんですね。

本来、工事請負契約においては、津波などの自然災害については、施工者の責任が免責になっています。

現場で起きた火災や事故などは工事保険で賄われますが、この工事保険自体が津波などの大規模災害が免責になっているため、このような要綱が約款に明記されています。

工事中に津波や大規模土砂災害などの天災被害に合った場合に保険適用されずに、住宅ローンだけが残るという事例がありました。

このリスクを回避するために「工事期間中に火災保険に入る」という裏技が生まれたのです。

あすなろ建築工房のお客様でも津波被害の心配のある地域の方には、もともとご紹介している保険です。

2年前の改定の際には、保険期間が半減してしまうこともあって、この保険を活用された方も多くいらっしゃいました。

そもそもの目的が違う保険ではありますが、保険料が爆上がりとなってしまう地域の方にとっては、保険料値上げの前に入りたいというニーズには合致した仕組みと言えるでしょう。

ただ注意しなければならないことがいくつかあります。

この保険はJBN全国工務店協会が窓口になって販売している保険となります。

お住まい近くの「ほけんの窓口」的なところで入れる保険ではありませんので、ご興味のある方は、お近くのJBN加盟工務店にお問合せください。

そしてこの保険は私が知る限り、あいおいニッセイ同和損保だけが販売する保険です。

火災保険は各社でサービスの内容が異なり、保険料も異なります。

土地の条件や住まい手のニーズに合わせて、保険を選ぶので、他社の保険と比較して、必要なサービスを選んで入ることをお勧めしています。

今回の値上がりによる保険料アップ分と保険期間の保険料をしっかり比較検討してください。

火災保険は奥が深いものです。

不明なことがあれば、設計者さんに相談してみるのがよいかと思います。


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