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家づくりに親の援助が得られないか考えてみる

家づくりを検討されている場合、お家の計画についてお盆休みにご両親様とご相談される方もいらっしゃるでしょう。

家づくりの費用が高騰しているなか、ご両親からの援助を考えてみるのも重要なことです。

今回は「家づくりに親の援助が得られないか考えてみる」について解説していきます。

建築費用高騰の時代に必要なこと

何度もお伝えしているとおり、土地価格、建設価格ともに高騰してしまっているので、予算を大きく超えてしまう形となってしまう方が多くいらっしゃいます。

そんなときに「ご両親様からの援助があったり、ご両親様からお金を一時的に借りることが可能だったりしませんか」とお打合せの際にお伺いすることがあります。

「親のお金に頼らずに自分の力だけで家づくりは何とかしたい」とお考えの方がほとんどのことと思います。

それも大事なことだとは思うのですが、そうも言っていられない時代になってしまいました。

東京や横浜など地価の高いエリアで家づくりを行う場合、土地価格と建設価格と両方をカバーしようとすると資金的になかなか大変です。

自分の資力だけで何とかしようとすると、狭小地に狭小ローコスト住宅、つまり「建売住宅しかない」という判断になってしまいます。

「建売住宅しかない」と考えてしまうと、将来予想外の出費に悩むことになり、結果として人生全体の出費が多くなり、老後の生活が厳しいものとなってしまいます。

そんなことにならないようにしっかりと将来を見据えて家づくりを行っていただく必要があります。

まだお若い方で早い段階から家づくりをご検討される方の場合、まだお若いということもあって御収入が住宅ローン借入金額と見合わずにローンの借入額限度の問題が出てしまうことがあります。

そんなこともあって「建売しかない」という判断をされてしまう方も多いように思います。

家づくり資金がないとき考える点

資金がないから建売しかないと考えている方には、「ちょっと待って!本当にそれでいいの?」とお伝えしておきたいです!

安定したお仕事をされていて、将来にご収入が増える可能性が高い場合を考えてみましょう。

30年の住宅ローンを組むと仮定すると、子育てが20年ちょっとで終わることを勘案すると、50歳代の段階で支出を大幅に抑えることが出来るようになります。

子育てや住宅ローンの支払いが終わった場合、ご主人と奥様で働くとすると、お二人の稼ぎはそのまま貯蓄に回っていくことになります。

今後の時代の流れで定年が延長されることを考慮すると、ローン支払い完了後の定年までの70歳までの間に、二馬力での貯蓄が10年以上続くことになります。

その期間に相当な貯金を見込めるようになりますが、60歳代でたくさん稼いでも使い道に困ることにもなります。

さらに親からの遺産が入ってくる可能性もあるのがこの年代です。

もちろんオーバーローンで苦しむ可能性は十分にあります。

皆様にお伝えしたいのは「将来が不安だからこそ、しっかりと将来の支出やリスクも見た形でシミュレーション、つまりファイナンシャルプランを立ててみるのが大事」ということです。

親ローンの可能性を考えてみよう

上記のような状況が考えられる場合に、「ご両親様からの援助やお金を一時的に借りることが可能ではありませんか」とお伺いさせていただくことがあります。

将来得られるお金であれば、他で借りて今の生活の質を上げて頂きたい。

そもそも住宅ローンとはそういうものでした。

現在は銀行側の貸し倒れの心配もあり、年収の30%〜35%程度に返済額が押さえられているため、年収が800万円としても6000万円位が限度となります。

現在では、横浜周辺で良好な住宅地を得ようとすると土地価格だけで4000万円くらいになってしまいます。

最低限の耐震性能や断熱性能を有し、将来のメンテナンス性、耐久性も考慮した住宅となると5000万円くらいはしてしまいます。

予算には外構費や植栽費や消費税も入ってはいますが、おおむね5000万円程度と考えておいていただきたいです。

さらにローンの諸費用、引っ越し代や税金といった諸費用も考慮すると、9000万円位が必要となってしまいます。

土地価格が高いエリア、擁壁やり替えに費用が掛かる土地や大きな家の場合には、土地代を含めると1億円の大台を超えることも珍しくなくなってきました。

横浜周辺での家づくりはとっても大変です。

2000万円以上の貯蓄があればよいですが、子育て中の若い夫婦には、この貯蓄額はなかなか難しい金額です。

ご夫婦で仕事をされていて安定したお仕事に就かれている方は、将来的に「お金が余る」ことになる方も多くいらっしゃいます。

実際にファイナンシャルプランをしてみると、子育て後にかなり余裕がでるというというシミュレーション結果が出ることも多々あります。

迷う場合にはファイナンシャルプランをしていただいて、将来のお金のシミュレーションをしていただくようにしています。

シミュレーションの結果「確かに将来的にも現金がショートする問題はない」と判断できた場合でも、残念ながら限度額を超えてのローンの認定はされません。

高性能な住宅に対しては「ローン融資限度額を増やす」などの特典があればよいのですが、現在はまだそのような施策などはありません。

そんな時には「親ローン」という手が有効です。

親御さんも将来的には老後資金は心配ですから、少しでも現金を残しておきたいもの。

「ちょうだい」とは言えませんので、「一時的に貸して」とお願いするものです。

とはいっても、親に「家建てるのでお金貸して」とはなかなか言えないですよね。

お金の話なので、電話で済ませることもはばかられます。

お盆休みや正月休みで孫の顔を見せに行くついでに、ご相談するのが良いでしょう。

ご両親様に援助していただく可能性があるかどうかお伺いして、いろいろとご意見をいただくことにもなろうかと思います。

家づくりへの援助に関しては、両親からの意見も重要です。

両親からの返答に関しては今後のコラムにてお伝えしていきますね。


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