外構

庭の手入れが面倒にならないための仕掛け作り

あなたのご自宅に庭はあるでしょうか?将来の家に庭が欲しいとお考えの方もいるかもしれませんね。

庭は家を囲むオアシスになり、生活の中に自然との触れ合いやリラックスをもたらしてくれます。

ですが、せっかく庭があるにもかかわらず手入れが面倒だったり大変だったりして、次第に関心すら持たなくなってしまうことも…。

今回のコラムでは、庭に関心を持つための方法をお伝えします。

六ッ川の家に水琴窟が完成!

少し前のことになりますが、あすなろ建築工房のコンセプトハウス兼自宅の「六ッ川の家」の玄関先に水琴窟ができました。

玄関アプローチ部分の睡蓮鉢があった場所です。

一昨年、完成した「U-project」南馬込古民家再生計画の敷地調査にお伺いした際、醤油カメがお庭に複数ありました。

リノベーション工事の解体作業の際にお庭周りも整理したのですが、その際にそのカメを頂いておりました。

百水庭園さんと「これで水琴窟が造れるね」と話をしていたのが、やっと実現した形です。

カメが逆さまに埋められています。

このカメの底の上に小石を重ねて完成です。

睡蓮鉢は門扉側に移設されました。左側に見えるのが水琴窟です。

動画撮影してみました。

初めての試みとしては、いい感じの仕上がりではないでしょうか。

六ッ川の家にお越しの際は是非音色を楽しんでいただければと思います。

作業の様子を、施工した百水庭園さんがyoutubeにアップしてくれています。

こちらも是非ご覧ください。

なぜ水琴窟を造ったのかというと、単なる趣味の話ではありません。

「庭への関心」を持つための仕掛けとなると思ったからです。

庭の管理は大事!

お庭のある一軒家に住んだ場合、お庭の管理がとっても大事です。

キレイな庭ができても、管理されなければ数年でその庭は雑草が伸び放題、枝葉も伸び放題で、庭木は厄介者となってしまいます。

お庭は住んでからが本当に大事なんです。

お庭に植えられているのは、高木、中木、低木、下草などの生き物です。

生物ですから、環境によって、管理によって育ち方も変わります。

太陽や栄養が足りなかったり、水分が不足したりすれば、元気をなくして枯れてしまいます。過剰であっても同じです。

常に庭と関わりを持って、子供の成長と同じように見守ってあげる必要があります。

子供に関心を持つように、庭にも関心を持って接しなければなりません。

リフォーム工事を依頼されたお家にお伺いすると、庭木の手入れがされておらず、うっそうとした庭となっている場合が多くあります。

家の調査でお庭に出た際に「庭に出るのも久しぶり」という話も良くお聞きします。

庭の手入れをしないとどうなる?

手入れされないお庭はやぶ蚊の温床となるだけでなく、落ち葉で近隣にご迷惑をかけてしまったり、せっかくの日射が得られなくなったりしてしまいます。

週に一度でも庭木の手入れができればよいのですが、数か月放置してしまうと、手が付けられなくなってしまいます。

特にこれからの新緑の時期が肝心です。

こまめにお庭に出て少しでも良いので、手入れをするのが大事になってきます。

ご近所のお客様から修繕工事をご依頼いただきお伺いすると、「なぜもう少し早く修繕依頼をいただけなかったのか」と思うことがよくあります。

もう少し早い対処であればダメージも費用的も少なくて済んだのに、被害が進行していて修繕に費用が生じるようなことが本当に多くあります。

お庭に出ることで、家の異常に気が付くことになるので、少しでもお庭に出ていただきたいと思います。

庭に出るきっかけを作っておこう

「庭に出る理由」がないので「庭に出ない」という方も多いようです。

そんなことが無いように「庭に出るためのきっかけ」を作っておくことをお勧めしています。

冒頭でお話した水琴窟も庭との関わりのためのアイテムの一つです。

視線の中に水琴窟があれば、柄杓をもって水を落とし、落ちていく雫の先に耳を澄ませることになります。

そうすると、その周辺の環境を体感できますね。

風の音、鳥の声、草木のざわめきなど、普段気にもしていなかった音を聞くことができるのです。

庭に何かきっかけを持つことで、庭に降りたち、変化に気が付きます。

家の周囲を一周するだけでも気が付くことがいろいろあるのです。

庭の様子や家の様子に、少し注意を払うだけでシロアリ害や小動物の活動の痕跡にも気が付くこともできます。

木部の塗装が剥がれていたりすることにも早めに気が付けますよね。

庭と家とのかかわりを持つことで、お庭やお家の小さな変化に気がつき、適切な時期にメンテナンスや補修ができるようになります。

水琴窟と同じような役割をするのが、花の咲く木や実のなる木です。

春に花が咲く木

・サクラ

・ヤマボウシ

・アセビ

・ジンチョウゲ

・ユキヤナギ

・ツツジ

・コデマリ

夏に花咲く木

・アジサイ

・サツキ

秋からに冬にかけて花が楽しめる木

・ハギ

・ツバキ

花が咲けば、草木のそばにも寄りたくなります。

実がなる木を植えるのもいいですね。

レモンや柚子やブルーベリーやジューンベリーなど、「収穫」というご褒美があれば、庭に出る機会も多くなります。

こんな感じで積極的に「庭とのかかわり」を持つことが大事です。

庭付きの一軒家は贅沢なものです。

庭の維持ができなければ、宝の持ち腐れにもなってしまいます。

庭とのかかわりを持ち続けるために、設計の段階でお庭に「仕掛け」を作っていくことをおすすめします。

まとめ

庭付きの一軒家は贅沢なものですが、管理が大変な一面も。

庭の手入れがシロアリ害や小動物の痕跡、塗装の剥げに気づくきっかけになります。

積極的に庭とかかわりを持つには、庭に出たくなる仕掛けが大事です。

将来の庭との関わり方を考えた設計をおすすめします。


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