家を買う夫婦にはお金の計画が重要「事前にチェックすべき6つの項目」
夫婦で家を買いたいけれど、どういった点に気をつけたら良いのか、お悩みではないでしょうか。新居を購入するには、夫婦でお金や将来についてしっかり話し合う必要があります。しかし忙しい日々の中では、話すきっかけをつかめないこともありますよね。
家を買う夫婦が考えておきたいことはお金や家族、将来の計画など多岐にわたります。記事の中で解説していきます。
お金について話し合う
夫婦間で収入や貯蓄を把握していない事例はよくあります。ご主人の貯金と収入だけで家づくりを計画する場合に多いですが、夫の収入だけでは希望通りの家づくりにならない場合も。
「夫婦で財布は別にしたい」という考えもありますが、「家づくり」は大変お金のかかる事業です。お互いの協力が必要なため、夫婦ですべての情報を共有することが必要です。具体的にどういった点をオープンにすれば良いのか、見ていきます。
収入、貯蓄、資産を隠さない
負債があると住宅ローンの借り入れが不利になる場合があるので、それぞれの負債状況を明らかにしましょう。学生時代の奨学金の返済は実質的には負債といえます。奨学金の返済が終わっていなければ住宅ローンの申請時に申告が必要ですし、申告を忘れると住宅ローンが通らないこともあります。
自動車ローンやカードローンなど借り入れ返済が残っている場合も、住宅ローンの審査に通らない可能性があります。銀行への審査には申告漏れがないよう注意しましょう。
また資産運用についての考え方、現在の状況も話し合っておきましょう。夫婦のどちらかが貯蓄ではなく資産形成をメインにしていた場合、家づくり用の現金が不足することもあります。
資産運用の運用益を住宅資金に充当するのかどうかは住宅ローンの契約、支払いにもかかわってくるため、お互いの資産状況を確認しましょう。
保険の情報を共有する
家を買う前に、夫婦それぞれが加入している保険を知っておきましょう。独身時代に加入した保険のままで、お互いの契約内容を把握していない場合もあります。
家を買うとき住宅ローンを契約する場合がほとんどですが、住宅ローンには金利だけでなく団信や特約など、生命保険に近い内容も含まれています。夫婦それぞれの保険内容を知らないと、住宅ローンと同じような内容の保険をダブルで契約し続ける可能性も。
加入している保険を把握し、最適な住宅ローンを選定すると無駄がなくなり、資金面も節約できますよね。
家族計画をすり合わせる
お子様はまだこれから、まだ小さいといった将来の想像がつかない状況であっても、夫婦間では家族計画を確認しておくことが必要です。
ご家族計画によって、子供室の大きさや数が変わってきます。子どもに通わせる学校が公立か私立かで、塾に通わせる費用も大きく変わってきます。お子様がこれからであれば不妊治療の費用も必要となるかもしれません。
家づくりにおいて、家族計画は設計や金銭面に大きな影響があるため、しっかりと話し合っておきましょう。
将来の計画を共有する
家づくりでは多額の資金が必要ですが、現在は子育て中で、どちらかが離職している場合もあります。「いつから復職するか」「収入はいくらを予定しているか」「いつまで働くか」によって、住宅ローンの条件が大きく変わってきます。
パートーナーの収入で家づくりの内容が変わるため、住宅ローンの検討の際に「リタイア時期を話し合う」ことが必要になる場面もあります。将来の計画が家づくりの重要なポイントになるため、しっかりと話し合いましょう。
親の情報を共有する
新居を建てる際、それぞれの親の暮らしを知ることも大事です。資金援助や介護など、さまざまな意味合いがあります。
30歳代で家を建てた場合、双方の親もまだ仕事も現役で、お元気なことが多いです。しかし親もいつかは年を取り、体に不具合が出てくるでしょう。親に聞いても「心配はいらない。そうなったら施設に入るから」と言われる場合が多いですが、実際には希望が変わることもありえます。
「慣れ親しんだ地元を離れたくはない」と言われることも想定しておきましょう。「将来片方の親が亡くなった際どうする?」「介護が必要になった際には誰が介護する?」など、兄弟も含めて話をしておく必要があります。
また、「自分たちの資金だけで家づくりを行う」という方が多いですが、実際に家づくりを始めると「親が家の資金を援助してくれた」という事例もあります。
計画時にはギリギリの予算でいろいろと切り詰めた計画をしていたけれど、地鎮祭が終わった辺りで「諦めていた○○を復活したい」というお話をいただくくこともありました。実は両親が準備してくれていたことが後から判明する場合もあるのです。
家を建てると簡単にはその町から離れられません。将来を見すえて、しっかりとご両親や子どもと話し合いをしておく必要があります。
医療に関する方針を話し合う
若くて健康な場合でも、いつ何が起こるか分かりません。「家を持つ」ことは大きな支出と大きな資産を持つことですが、自らの意思表示ができない事故や病気になることもない話ではありません。急な事態で家づくりが頓挫しないよう、必ず健康や医療に関する話し合いをしましょう。
どんな医療を受けたいか、話し合う
医療方針を共有するのは、実はかなり重要です。現在は健康であっても病気になると、これまでのように働けず金銭面にも影響が出てしまいます。最近の終末期医療は高度化しており、回復が見込めないと判断されている状態でも長期間の生存が可能です。しかし家族の意思で、肉親の延命治療の中止を判断することは難しいでしょう。
延命治療が長引く場合、家づくりが頓挫することもあり得ます。意思表示ができなくなる前に本人の意思を確認しておくことで、「もしも」のとき家族にとって適切な判断ができます。家づくりをきっかけとして「終末期医療に関する意思確認書」を書いておくのもよいかもしれません。
介護の希望を共有する
子育て家族にとって介護はまだまだ先の話なので、将来の介護について現実的な話し合いは難しいでしょう。しかし終のすみかを計画する場合、事前に希望を伝えておくことは大事です。配偶者が自分の介護をしてくれるとは限りません。
身内が介護できない場合には施設を利用することになりますが、その際には費用も相当かかるため、将来を見すえて準備が必要です。夫婦の将来の介護だけでなく、双方の親の介護問題も出てくるでしょう。親の情報を夫婦や兄弟で事前に共有しておくのが理想です。
住宅ローン情報を共有する
住宅ローンには金利だけでなく、団信や特約など、生命保険に近い内容も含まれます。金額、契約会社、金利、特約、完済目標など確認すべき項目は多岐にわたります。
夫婦のどちらか一方だけで住宅ローンを検討するのではなく、話し合い最適な住宅ローンの内容を決めましょう。夫婦の働き方にもかかわりますが、どちらかの収入が減少する可能性もゼロではありません。自分たちに合った住宅ローンを選ぶには、夫婦間での話し合いが不可欠です。
まとめ
家づくりは夫婦にとって人生で最大の支出のため、お互いの財布をしっかりと把握し協力して進めていく必要があります。家を買う夫婦がチェックすべきポイントのすべてに「お金」が絡んできます。同居する家族だけでなく、親や兄弟や子供にも孫にも影響するため、お金に不安を残しては進められません。
心配であればファイナンシャルプランナーに相談するなど、不安をなくしてから先に進める必要があります。関係者でしっかりと情報を共有しましょう。
家づくりにおいて一番大事なことは「夫婦が仲良くあり続ける」ことです。生活していると、何かとお互いの不満が生じてしますが、お互いの協力なくして家を維持するのは難しいでしょう。離婚などに発展してしまうと、せっかくの家も住み続けることができなくなってしまいます。意識して仲良く夫婦生活を続けていく覚悟も大事ですね。
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