コスパの良い家につなげる学びとは
「学びばかりしていて、本業ちゃんとやってるの?」とお叱りを受けることが多い私ですが、同業他社の皆様から多大に学ばせて頂いております。
住宅業界は人口減少によって斜陽産業と呼ばれています。情報や知識をいち早く得ることが生き残りにとって不可欠なのです。
今回は、コスパの良い家を作るためにどういった学びをしているか、学びの重要性についてお伝えしたいと思います。
建築業界は日々技術が進歩している
私は日々さまざまな工務店さんに伺ったり、参加している組合のワークショップに参加したり、学びを続けています。
社員大工の育成や工務店が行うべきDX(デジタルトランスフォーメーション)など、最近でも大きな学びを得られています。工務店さんのメルマガから学びを得ることも多いです。
家づくりの施工方法や考え方は、日々進化しています。変化に強くなるためには、自分が持っていない、より新しい知識が必要になりますよね。そのためには外に出て学ばなければなりません。
変化に弱い組織は、どんどん弱くなってしまいます。特に我々の業界のように斜陽産業と呼ばれている業界では、情報や知識をいち早く得ることが、生き残りにとっては不可欠です。
この業界はまだまだ学術的に検討が遅れている分野でもあります。日々技術が進歩し、ニーズが変化していく業界でもあるため、いち早くそれらの情報を知る必要があります。
コスパの良い学びはコスパの良い家につながる
学びにはコスパの良し悪しが存在します。
コンサル会社やフランチャイズなど、向こうから足を運んでその知識を授けてくれる場合もありますが、多大な費用が必要になります。
工務店業界には多数のコンサル会社やフランチャイズがあり、毎日のようにダイレクトメールが届きます。
ですが、コンサルやフランチャイズから得た知識や営業ノウハウや標準プランは、他の住宅会社も使っているもので、競争力の持続性は限られています。
情報の旬が短いため、次々にお金を払って新しい情報を得続けなくてはなりません。コンサル会社やフランチャイズから得た情報で家づくりしている住宅会社さんは、結果としてコスパの悪い家を提供することになってしまいます。
コスパよく経費を最小限に学ぶには多大な費用のかかる相手から教わるのでなく、同業の成功者から教えを乞うことです。
学びのために必要な時間や交通費などは、お客様から頂いた大事な大事なお金から支出されるため、学びのコスパをよくして、その成果をさらに次のお客様に還元していくことが大事です。
コスパが悪い学びは、お客様への還元も少なくなるか、赤字になる可能性もあります。顧客に対してもコスパの悪いお家しか提供できなくなってしまうでしょう。
工務店同士で学び合うことの重要性
工務店同士では、「自分のノウハウを提供する代わりに、他の工務店でのやり方を教えてもらう」勉強法があります。
私自身も、他の工務店さんからメルマガの配信方法や全館空調方法を学びました。その分、私からは設計手法などをお伝えさせてもらっています。
「関尾さんのメルマガが勉強になった」と同業者からご連絡を頂くことも多くありますし、
私も仲間のメルマガから勉強させてもらっています。
実際にお互いの工務店に学びに行ったり、学びにも来てもらったりしています。こんな感じで工務店同士が教え合い、学びあっています。
住宅会社も得意不得意があるため、不得意を学び、得意を教えるのはギブ&テイクです。
学び合う仲間である工務店さんは、最初に会ったときは普通のお家を造られていました。それが今では、めちゃくちゃエモい家を造られています。
彼らも他の設計事務所や工務店さんの家を見て学び、自分たちに落としこんできました。学んだ会社は、他社のよいところを取り入れて進化をしています。進化した姿をまた見てもらって、さらに進化をしようとします。
もしも「周りに情報を見せない」という会社があれば、進化が止まることになるでしょう。
他社に見せることで、自分のキャパが空き、他のことが吸収できるようになります。持っている知識を放出しなければ、キャパがパンパンになり、他の知識が入ってくることはありません。何かを放出すれば、それを埋めようと努力するのです。
家づくりにおいて、自分で開発したり、発見したことなんてほとんどないと思います。
私だって同じです。床下エアコンのノウハウは新住協で基礎を学び、他の工務店さんに事例を学びました。さらに違う工務店さんで実物をみせてもらい、自分に落とし込んで得たものです。
他の知識も他の会社さんなどから知ったことばかりです。教えてもらった人に敬意を払った上で、また他者に教える。教えることで、自分の知らないことを教えてもらうことができ、さらに進化する。
この循環によって、お客様にコスパの良い家を提供できると考えています。
学びをお客様に還元する
私はスタッフとともに、鹿児島の工務店さんを毎年のように訪問しています。常に進化しているため、それを学びに行っているのです。
そこで学んだ私たち「あすなろ建築工房」も常に進化を続けています。学んだことを自分たちに落とし込んでから、自分の言葉にして他の方にもお知らせするようにしています。
貴重な学べる機会を得ているため、学んだことはしっかり身に着け、そして他の方にも伝授させてもらっています。
お客様からしても、大事な大事な家づくりを託す相手である工務店が「学び合っている会社であるかどうか」、ブログやインスタ、メルマガなどでチェックしてみるといいでしょう。
「学び合っている住宅会社」は強いです。生き残るし、なんといってもコスパがいい。コスパの良い学びはお客様に還元できるのです。
まとめ
日々技術やニーズが進化し続ける建築業界にとって、学びを続けることは生き残りに関係してきます。
「学んでばかり」と言われがちな私ですが、学びを続ける理由は、コスパの良い学びをすることがお客様の利益に直結するからです。
学ぶことで不得意をなくし、コスパの良い家づくりができます。逆にこのような交流ができない工務店さんは、ちょっと将来が心配になりますね。
最初にお話した通り、斜陽産業ですから、今後も顧客奪い合いは加速していきます。進化を続ける会社しか生き残れない業界です。今後も学び続け、どんどん同業者やお客様に還元していこうと思っています。
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