建売住宅は失敗する?住んでみてから分かること
最近は都内や横浜周辺では、駅近の土地だけでなく、郊外でも、建売住宅が乱立してしまっています。
売り物件の情報が手に入ろうものなら、速攻で開発業者に買われて、極限まで分割されて、建売住宅が建てられてしまいます。
お客様からも「勤務先近所のお屋敷が解体され3分割で買い手がつかず、土地の真ん中に通路をつくり、五軒の家が建築されました。3ヶ月くらいで完成し、即完売。」との体験談を頂いています。
1軒のお家の敷地を5分割しているため、1軒の土地の広さは相当狭いものになってしまっているでしょう。
今回は、建売住宅は失敗するのかという疑問、住んでみて後悔するポイントについて解説していきます。
建売住宅に住んで後悔するポイント
最近増加している建売住宅ですが、ひとつの土地を何分割にもして、狭い土地を作って住宅にしています。
30坪で4LDKの間取りのように、狭い土地に細分化されている住宅が増えており、庭はほとんどなく、樹木が一本も映えてない街並みがどんどん広がっています。
とにかく小さくして、最低限の価格にまで下げようとするので、3階建てが建つ都市計画条件の土地であれば、土地の大きさは18坪まで分割されます。
そのような細分化された建売住宅で後悔するポイントは7つです。
- 収納がない
- 家具の配置に困る
- カビだらけ
- 家事導線が悪い
- 目線が気になり、使えないスペースが生じる
- 光熱費がかかる
- メンテナンス費用が大きい
ひとつずつ解説していきますね。
収納がない
まず困るのは、収納です。スペースが狭いため、収納がなく、さまざまな場所に物が散乱するようになります。
玄関に置ききれない靴や外周りの荷物、子供の外遊び道が玄関ホールに置かれ、外収納をガレージの奥の壁などに置かないと収まりきらなくなるでしょう。
洗面所は洗濯機を置くとパンパンになり、着替えやタオルなどを置くスペースが取れません。結局、リビングの近くに着替えやタオルなどを入れるタンスが置かれます。
各個室は扉の部分にベッドなど大きい家具は置けないため、ベッドや机の配置に困ります。
キッチンの家電棚がないため、適当なものを買ってくるしかありません。家電棚もちょうどよい大きさがなく、効率よくモノを整理するのは難しいです。ゴミ箱や食器棚はダイニングに置かれます。
パントリーのスペースが取れず、保存食や乾物などを置くのはベッドルームの一部になる場合も。
ダイニング自体がそもそも広くないため、ダイニングテーブルは小さいものにするか、リビングスペースに食い込むことになります。
収納スペースを考えて作られておらず、そもそもスペースもないことで、日常生活における影響は計り知れません。
家具の配置に困る
収納スペースがないため、家具を購入することになりますが、配置にも困ります。
ダイニングテーブル、テレビ台、ソファーなどの大型家具を購入し、配置しようとすると、とても配置しにくいのです。
ダイニングやリビング周りの収納場所がないため、低い高さのキャビネットなどを置くしかありません。
収納場所がないため、ティッシュケースやごみ箱や筆立てや携帯の充電器などがダイニングテーブルの上に置きっ放しになるでしょう。
また自転車置き場に困り、駐車スペースに野ざらしに自転車を置いておくしかありません。後からサイクルハウスを買ってきて設置することにもなります。
カビだらけ
窓の配置や素材を熟慮しないと、カビに悩まされる可能性が高いです。
建売住宅では洗面所が狭く、窓の前にも家具や家電が置かれ、おそらく一度も窓は開けられることがないでしょう。
手が届かない場所に設置された窓はそのまま放置状態になり、枠周りがカビだらけになってしまいます。
窓はアルミ樹脂、下手するとアルミサッシが使われている場合が多く、結露がひどいです。
結露するため、寒い時期は毎朝結露した窓の窓ふきをする必要がありますが、面倒くさがって結露水をそのままにしていると窓枠が湿って、カビが生えます。
さらにそのまま放置していると腐朽菌で腐ってしまったり、シロアリに食べられてしまったりするのです。
家事導線が悪い
狭い土地に作られた建売住宅は家事導線が悪いのも問題です。
洗濯を干す場所と洗面所が離れていると、洗濯後に水に濡れて重くなった洗濯カゴを運ぶことになります。
また方角を考慮しないバルコニーでは、光が限られた時間にしか当たらず、風も通り抜けにくいでしょう。洗濯物が乾きにくいと感じることになります。結局は室内で干さないといけなくなります。
室内干しの場所が確保されていないと、結局はリビングのカーテンレールやリビングに続き間の扉の上枠にひっかけるしかありません。
くつろぐ空間であるはずのリビングやダイニングで、洗濯物を見ながら生活することになるのです。
また外回りに水道がない場合、車の洗車はガソリンスタンドの洗車機を使うことになります。
外構はすべてコンクリートで固められていますので、植栽は植えられません。
植木鉢やプランターに植えたものを置こうとしても、水やりするには、室内で汲んできた水を撒くことになり、廊下が水滴で汚れます。
何をするにも導線が悪く、日常的に不便を感じることになるでしょう。
目線が気になり、使えないスペースが生じる
ひとつの土地を分割した建売住宅では、近隣住宅との距離が近すぎます。また、周囲からの目線を遮るような作りになっていないことが多いため、常に目線が気になる生活を送ることになるでしょう。
玄関の位置も気になります。扉を開けると、家の中が奥まで見通されてしまう玄関は気になってしまいますよね。
収納がないため、玄関に置き切れず、玄関ホールと廊下に溢れた荷物が通りを歩く人から見られる生活が続くのです。
近隣の目線が気になり、一日中カーテンを開けられない場合もあります。
光熱費がかかる
建売住宅では、性能が良いとは言えないつくりのため、夏は暑く冬は寒く、冷暖房が欠かせなくなります。エアコンが何台も必要になり、光熱費がかさみます。
風の抜けも悪いので、中間期も冷房が必要になったりします。冬の暖房費と夏の冷房費と相当な出費が待ち構えています。
実はここが性能の違いでのコストの差が大きい部分にもなり、建売住宅では想像以上の冷暖房費がかかるのです。
家にいると冷暖房費がかさむので、日中はショッピングセンターなどで過ごしている人もいるくらいです。
いくら冷暖房をしても、トイレや洗面所やお風呂などは空調することもできず、生活の中では、家の中の移動に伴って、「暑い」「寒い」を感じる生活になり、ストレスを抱えます。
メンテナンス費用が大きい
建売住宅の外壁はサイディング、屋根はコロニアルのため、10年ごとにコーキングの打ち換えと再塗装が必要になります。
10年ごとに足場をかけての相当なメンテナンス費が必要となってきます。
メンテナンスを怠ると急激に家の耐久性が低下し、30年で「建て替えするしかない」という事態になってしまいます。
「住みにくさ」だけでなく、結果的にお金がかかり、健康にも害を及ぼしてきます。
建売住宅にお住まい始めた方は、「安く手に入れた」と喜んでいるでしょうが、これから大きな出費やストレスを強いられてくることに、まだ気が付いていないだけかもしれません。
家の居心地が悪いので、休みの日にはショッピングモールに出かけるようになるでしょう。外食して買い物も多くなり、さらに出費も増えます。
このようなことが建売住宅、ローコスト住宅に住んだ後に待ち構えているのです。
まとめ
狭い土地の建売住宅では、住んでから初めて分かる不便さがあります。私の元にも、お客様からの体験談が寄せられることも珍しくありません。
皆さん相当なストレスを抱えながら「仕方がない」と諦めながら住み続けている方が多いのです。
土地探しをしていて「建売住宅にするしかないか」と思われている方は、今一度思い直してみてください。
建売住宅の失敗するポイントを分かった上で、理想の住まいを検討されるよう願います。
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