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洗濯物を効率よく乾かす方法

ジメジメした梅雨の時期や、寒い冬場など、洗濯物がなかなか乾かないことで悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そんな悩みを解決するために、今回は、季節ごとに役立つ洗濯物の乾かし方を紹介します。これらの方法を実践すれば、一年を通して快適に洗濯ができます。

今回は「洗濯物を効率よく乾かす方法」についてお話したいと思います。

洗濯物が乾くのに必要な時間

夏はすぐに乾く洗濯物ですが、冬の時期は洗濯物が乾くまで時間がかかります。

季節に応じて、実際にどのくらいの時間がかかっているでしょうか。

夏は2〜3時間前後で、春・秋は5時間前後、冬は6時間前後とされています。

その日の天気や湿度にも影響されますが、だいたい普段の感覚と相違ありませんよね。

同じ季節でも、乾き方に差が出てくるのが「風」の存在です。

「風」があれば、夏なら、1時間でも洗濯物が乾きます。

冬の時期も同じで、風があれば冬でも3時間程度で乾きますよね。

では、部屋干しだと、どれくらいで乾くでしょうか。

部屋干しでは「外干しの約2倍」の時間がかかると言われています。

つまり部屋干しでは、夏は4~6時間前後で、春・秋は10時間前後、冬は12時間前後となります。

これも体感に近い数字だと思います。

生乾き臭の原因と解決策

部屋干しで気になるのが春、秋、冬の乾燥時間の長さです。

生乾きの状態が10時間も続き、乾燥までに時間がかかってしまうと、生乾き臭が気になりますよね。

洗濯物は生乾き状態が5時間続くと、モラクセラ菌が繁殖し、臭いを発するようになります。

モラクセラ菌は、温度20〜40℃・湿度60%以上で増殖します。

冬の外干しであれば、気温が低いため、乾くまでにある程度の時間がかかっても問題ありません。

ですが、夏以外に室内干しをすると室温が20度を超えている環境のため、モラクセラ菌が増殖してしまいます。

室内干しをする場合、5時間以内で乾かさないと洗濯物が臭ってしまうため、5時間以内で乾かすことを目標にしたいですよね。

では、室内干しで5時間以内に乾燥させるにはどうしたらよいでしょうか?

その答えは「風」です。

通常の乾燥に、夏は4~6時間前後で、春・秋は10時間前後、冬は12時間前後かかりますが、「風」を当てると夏は2~3時間前後、春・秋は5時間前後、冬は6時間前後で乾かせます。

しかし、「風」を当てるだけでも解決できないものがあります。

それは…洗濯物から出てきた湿気の行く先です。

家づくりで可能な洗濯物対策

室内干しの方法について、建材メーカーの大建工業が実験をしていました。

(参考:【比較実験】ライオン株式会社協力クリアトーン12SⅡ部屋干し比較実験

この実験結果を見ると、相対湿度を上げないことによって、6時間で洗濯物を乾かすことができています。

ここで大事なのが、「相対湿度を上げない」ということ。

実験では、大建工業さんの調湿天井材が用いられています。

この天井材は、18畳(27㎡)で吸湿量が1.5kg、つまり55g/㎡ということですね。

ちなみに、吸放湿性能がある塗壁はJIS規格で70g/㎡あるものと定められています。

(参考:https://kikakurui.com/a6/A6909-2014-01.html)

一般的に使われている漆喰壁や珪藻土壁は、全製品ではありませんが、これをクリアしています。

1〜2mmの薄塗りでも、100g/㎡以上の吸湿量があります。

大建工業さんの実験では、壁はビニルクロスで天井に調湿建材を用いていました。

壁や天井に漆喰や珪藻土などの調湿材を使用し、床に無垢のフローリングを敷いていれば、調湿環境としては充分といえます。

一般的な4人家族のご家庭では、平均して1日6kg程度の洗濯物とされています。

脱水前の濡れた洗濯物の重量は、水分を含んで1.5倍になります。

ということは、6kgの洗濯物からは重量の半分の量3kgの水分が放出されるということですよね。

先ほどの大建工業さんの実験はタオルを24枚干したものでした。

4人家族分となると、吸放湿性能のある天井や壁の面積はもっと必要です。

3kgの水分量を吸収させるには、漆喰や珪藻土の壁の場合は、30㎡分が必要になります。

6畳の部屋の天井と壁の面積を足すと30㎡くらいの面積となりますが、6畳間でギリギリの広さといったところでしょうか。

換気の重要性

ひとつ気をつけなければならないことがあります。

それは調湿建材も無限に吸湿できる訳ではなく、限度があるということ。

吸放湿性能のある仕上げ材で仕上げた6畳間でギリギリ乾かせたとしても、続けて2日分の洗濯物を乾かすことはできません。

吸湿したあとは、放湿させてあげなければならないからです。

そのためには、「換気」が必要になってきます。

冬であれば、外気は乾燥しているため、換気をすれば室内の湿度を下げられます。

夏だと外気も湿度が高いため、除湿または冷房が必要となります。

室内干しをする場合には、家事室などの閉じた空間で乾かすのではなく、扉を開けて家全体で乾燥させることが有効です。

ちなみに我が家の場合、家事室(洗面所)で室内干しをする場合には、天井の洗濯物干しに洗濯物を干し、サーキュレーターで空気を動かして乾かしています。

近接した浴室で排気をすることで、家事室の空気がよどまないようにして乾かしています。

ちゃんと空気を動かしてあげれば、洗濯物が乾くため、生乾き臭はしませんよ。

洗濯物が多い時には、階段上の吹き抜け空間を使って室内干ししています。

この場所は空気が動く場所であるので、特にサーキュレータを使わなくても、乾いてくれています。

洗濯物を効率よく乾かす方法 まとめ

室内干しをする場合には、次の点に注意しましょう。

・洗濯物に風を当てる

・吸放湿性能のある壁や天井仕上げを用いる

・部屋を締め切りにしない(締め切りにするなら6畳以上の部屋で)

・空気を動かす

・排気(換気)する

・5時間以内に乾燥させる

最後にガス式乾燥機の話。

幹太くんを使うと4人分の洗濯物がどのくらいで乾くのか?

なんと6kgの洗濯物が1時間で乾きます。

さすがですね。

生活スタイルなどで、洗濯物に悩む家庭は乾燥機を取り入れるのも一つの方法と言えるでしょう。


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