設計

家づくりにおけるシーリングファンの効果

近年夏になると、尋常ではない暑さが続いていますね。

夏の空調と言えば、エアコン一択ですが、シーリングファンを使いこなすと多くの効果が得られます。

シーリングファンとは、天井でプロペラのように回るサーキュレータのこと。

おしゃれなイメージがあるかもしれませんが、シーリングファンの効果をうまく使うことで夏が快適になりますよ。

今回は、知られざるシーリングファンの効果を解説します。

夏に欠かせないシーリングファン

現在の冷房設備には、エアコン以外に放射冷房システムもありますが、主流ではありません。

高気密高断熱住宅にするとエアコン一台で家中を涼しくできるため、あすなろ建築工房でご検討中の皆様もそこに興味を持っていただけていると思います。

あすなろ建築工房での設計施工でのお家での「夏の過ごし方」において、欠かせないものがあります。

それは「シーリングファン」です。

気温は高くないのに湿度が高く、なんとなく気持ち悪い感じがするときはシーリングファンがあると、結構快適に過ごせます。

まずシーリングファンの設置事例を見てください。

シーリングファンがあるとなぜ快適なのかについて体感温度に関するブログにも書いてありますので、読んでいただけると嬉しいです。

シーリングファンの効果

シーリングファンの効果は3つです。

  1. 体感温度が下がる
  2. 省エネ効果がある
  3. 1/fゆらぎで快適

ひとつずつ解説していきます。

体感温度が下がる

体感温度(人間の肌が感じる温度)は、湿度と風によって左右されます。

たとえば、梅雨時期の気温はさほど高くないですが、湿度が高くて実際の気温よりも高く感じます。

夏は夜の気温は下がりますが、湿度は高いままですね。

エアコンをつけるほどではないですが、つけないと少し蒸すような感じがするとき、少しでも風があると涼しく過ごせます。

皮膚の水分が蒸発することで表面の熱が奪われ、実際の気温よりも涼しく感じるのです。

計算機のカシオのホームページには、体感温度を計算できるページがあります。

ここで、実際に数字を入れて体感温度を調べてみてみると面白いです。

たとえば気温が26℃で、湿度が97%の無風状態(風速0m/S)の数字を入れてみると、体感温度は27℃となり、少し蒸し暑い温度です。

そこに、そよそよと風が0.5m/sくらい吹いてくると、体感温度は25℃となり、気持ちよく感じます。

風がもう少し強くなって2m/sとかになると、体感温度は23℃となり、肌寒く感じてきます。

気温27℃で、湿度60%だと、無風で体感温度が25℃なので、理想的な夏の室内環境ですね。

そこでシーリングファンの出番です。

気温はさほど高くは無いけど、湿度が高い時には、シーリングファンをほんの少し回転させてあげるだけでとても過ごしやすくなります。

扇風機でも良いのですが、扇風機だと風が当たったところだけ寒く感じ、風が当たらないところは暑く感じてしまいます。

一方シーリングファンは羽が大きく、家の中に気流が生じるため、家の中全体で涼しく感じられます。

省エネ効果がある

夏本番はエアコンの出番が多くなりますが、シーリングファンがあると省エネになります。

室内の温度が29℃でも、湿度が60%で0.5m/S程度の風があると、25.5℃の体感温度になります。

室内の温度が多少高くても、体感温度が下がるため快適に過ごせます。

つまり電気代の省エネにもなります。

1/fゆらぎで快適

シーリングファンの効果3つ目は「1/fゆらぎ」のモードです。

「1/fゆらぎ」とは、自然界にあるような再現性のない不規則な現象のことを言います。

再現性がない風は不快でなく、肌さわりの良い風となり、快適さをもたらしてくれるんですよ。

公園の木漏れ日の下に居るような錯覚に陥り、自然と眠くなってきます。

あすなろ建築工房でのシーリングファンの効果

あすなろ建築工房で設計する家の場合は、さらにシーリングファンの効果があります。

それは、家の真ん中に吹抜けを設けた全館空調方式を採用した家における冷房時の換気装置としての役目です。

ロフトに設置した冷房用エアコンから吹き出される冷気は、中央の吹抜け部に取り込まれます。

何もしないとこの冷気は1階の床に到達し、その後1階の各部屋に行きつくことになります。

吹抜けに面した2階の寝室や子供室にこのロフトエアコンからの冷気を届ける際に、シーリングファンが活躍します。

2階の寝室や子供室には、吹抜けに面した窓を設置しています。

吹き抜けと各個室を結んでいる窓です。

吹抜けに設置したシーリングファンを逆回転(上向き回転)させ、落ちてきた冷気を上向きに動かし、吹抜けの天井に風をぶつけます。

すると両脇の個室に冷気を送り込まれるのです。

以上のように、シーリングファンにはいろいろな役目があります。

家の中央の吹抜けにシーリングファンが設置されていると何かと快適です。

シーリングファンを使うときの注意点

さまざまな効果があるシーリングファンですが、使うときにの注意点もあります。

シーリングファンを使って体感温度が快適であっても、湿度が高い環境が続くとカビが発生する可能性がありますので、エアコンを使った除湿も併用することが大事です。

除湿については、エアコンでの冷房と除湿についてのブログを参考にしてください。

シーリングファンは家の中に気流を生じさせてくれるため、ゆっくりと回っているくらいの速さがちょうどよいです。

以上がシーリングファンの効果となります。吹抜けのあるお家をご計画の場合は、是非ご検討くださいね。


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